突然、お尻の周りがズキズキ痛くなったり、腫れて座るのもつらい…。そんな経験はありませんか?もしかするとそれ、「血栓性外痔核」かもしれません。
恥ずかしさから我慢しがちな症状ですが、放置せずにきちんと対処すれば、痛みの軽減や早期回復につながります。今回は、血栓性外痔核について、原因・症状・治療法・予防法までわかりやすくご紹介します。
1. 血栓性外痔核とは?
血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)は、肛門の外側に血栓(血のかたまり)ができることで、強い痛みや腫れを引き起こす痔の一種です。
一般的な外痔核とは異なり、血栓が絡んでいるため痛みが非常に強烈で、ある日突然症状が現れるのが特徴です。突然の違和感やしこりで驚く人も多いですが、珍しいことではありません。
2. なぜ血栓ができるの?
血栓ができる主な原因は、肛門に負担がかかる生活習慣です。
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「便秘で強くいきむ」
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「長時間同じ姿勢で座っている」
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「重い物を持ち上げる」
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「出産後の体への負担」
これらにより肛門周辺の血流が悪くなり、血液が滞って血栓が形成されるのです。特に、デスクワークが多い人や便秘がちな方は注意が必要です。
3. 主な症状は?
血栓性外痔核の症状は、何といっても**「強い痛み」**です。
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・突然お尻がズキズキと痛む
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・座ったり立ち上がったりがつらい
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・肛門付近が赤く腫れる
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・しこりのようなものを感じる
特に便をするときに力むと、さらに痛みが悪化することもあります。「おかしいな?」と思ったら、我慢せず早めに病院へ行くことが大切です。
4. 血栓性外痔核の治療方法
血栓性外痔核の治療には、症状の程度に応じて保存療法と手術療法があります。
保存療法(薬とセルフケア)
軽症であれば、塗り薬や座薬で炎症や痛みを抑えることで改善が見込めます。
また、以下のようなセルフケアも効果的です:
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・暖かいお風呂で血行促進🛁
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・清潔を保ち、刺激を避ける
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・食生活を整えて便秘を防ぐ
通常、数日から1週間程度で自然と症状が軽減していきます。
手術療法(血栓摘出)
薬が効かないほど痛みが強かったり、血栓が大きい場合には、局所麻酔で血栓を取り除く手術を行うことがあります。
短時間の処置で済み、回復も比較的早いので、医師と相談して選択しましょう。
5. 血栓性外痔核の予防法
日常生活の中で少しの工夫をするだけで、血栓性外痔核は予防が可能です!
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◎食物繊維をしっかり摂る(野菜・果物・海藻類)
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◎水分補給をこまめにする(1.5~2リットル/日)
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◎長時間の座りっぱなしを避け、定期的に立ち上がる
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◎軽い運動(ウォーキングやストレッチ)を習慣化
肛門に負担をかけない生活スタイルを意識することがカギです。
まとめ
お尻の痛みや腫れは、なかなか人に相談しにくいもの。でも、我慢することで症状が悪化してしまうリスクも。
「ちょっと変かも?」と感じたら、恥ずかしがらずに専門医に相談しましょう。
**早期発見・早期治療で、つらい痛みとおさらば!**あなたの健康を守るために、今日から意識を変えてみませんか?✨
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。