大腸カメラ検査はいつから受けるべき?

「できるだけ、がんにならずに歳を重ねたい」と考えている方は多いでしょう。大腸がんは、日本人で最も罹患者数の多いがんです。早くから気をつけるに越したことはありません。

大腸がんの早期発見には、大腸カメラ検査を受けることが何よりも大切です。今回は、大腸カメラ検査を何歳ごろから受けるべきかについて、解説したいと思います。

 

大腸がんと年齢の関係性

基本的には、加齢に伴って発症率が高くなります。大腸がんは、60歳を超えてから顕著に増えますが、40歳以降から少しずつ発症する方が出てきます。

 

私は毎年、多くの方に大腸カメラ検査をおこなっていますが、感覚的には20~30歳代の方でも大腸がんが増えてきている印象を受けます。統計的に見れば、40歳以上での大腸がん発症が確かに多いですが、若ければ大腸がんにならない、とは言えません。「がん死ゼロ」を考えた際には、若いうちから大腸カメラ検査を受けた方がよいでしょう。

 

大腸カメラ検査はいつから?ペースは?

大腸カメラ検査をいつから受けたらよいかについて、私の考えをお伝えします。

 

おすすめは30歳から

一般的には、大腸カメラ検査は40歳からと言われていますが、30歳を超えたら一度受けるべきだと思います。

 

症状があってからの検査では、基本的にどの年齢でも遅いと思います。「がんになる前のポリープでとどめる」「治る段階でがんを見つける」ためには、症状が出ていない段階で検査を受けなければなりません。自分の年齢を意識して、早め早めで検査を受けるのがおすすめです。

大腸がんは、大腸ポリープを取ることで予防ができるので、心配になった時点で早めに検査を受けましょう。

 

年代によらず2年に1回ペースが基本

一般的には2~3年に1度受けましょうという先生が多いと思います。5年に1回という先生もいます。

「5年生存率」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。統計学的には、「がんと診断されて5年後に生きているかどうか」という点で判断しています。つまり、がんになってしまったとしても、手術をして治ればOKという発想です。

 

しかし、せっかく検査をするのであれば、生きるか死ぬかというギリギリのところではなく、より早い段階で見つけたいですよね。

当院では「がん死ゼロ」を目指したいと考えていますので、2年に1回を基本のペースと考えています。手術や抗がん剤治療にならない、ポリープの段階での早期発見を目指すためです。

 

ポリープ切除をした場合は、翌年にも検査をおすすめしています。ポリープがなかった場合は、2年に1度程度の検査でよいでしょう。

大腸カメラ検査を受ける周期は、年齢によって変わりません。どの年代であっても、最低2年に1回は受けてほしいと思います。

 

毎年大腸カメラ検査を受けていても、毎年いくつもポリープ切除をしているような方もいるので、実際個人差は非常に大きいです。一人ひとりの大腸の状態に合わせ、適切と思われる周期をご案内します。

 

若くても大腸カメラ検査は必要

若い世代でも、大腸がんを発症し、亡くなってしまう方もいらっしゃるのは事実です。心配な気持ちや、がんを防ぎたいという気持ちがあるのであれば、年齢問わずに大腸カメラ検査を受けた方がよいでしょう。

若い方で気をつけたいのは、がんももちろんですが、炎症性腸疾患という疾患です。炎症性腸疾患を持つ若い方は増えてきています。潰瘍性大腸炎、クローン病などが該当します。下痢・便秘・両方を繰り返すなど、排便に問題がある方は、調べてみて損はありません。

当院でも、10代後半で大腸カメラ検査を受ける方が実際にいますが、そのほぼ全てが炎症性腸疾患でした。がんだけでなく、炎症性腸疾患の病気の発見・治療のためにも、大腸カメラ検査を受けましょう。

 

まとめ

大腸がんは、加齢に伴って発症が増えていきます。できるだけ早期に発見したいと思ったら、「何も症状がない段階から」大腸カメラ検査を受けることが大切です。

30歳を目安に、大腸カメラ検査を受けましょう。その後は2年に1回ペースでの検査をおすすめしています。