「なんとなくお尻が痛いけど、恥ずかしくて放置してる…」
「痔ってよくあるものだし、そのうち治るでしょ?」
そんな風に思っていませんか?
実は痔は、放っておくと症状がどんどん悪化し、日常生活に大きな支障をきたす恐れがある疾患です。
この記事では、痔の種類や放置した場合のリスク、そして適切な治療法について、専門知識がなくてもわかりやすく解説します!
少しでも不安がある方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
痔ってどんな種類があるの?
まずは「痔」とひとことで言っても、実は種類によって症状や治療法が異なります。それぞれの特徴を押さえておきましょう。
内痔核(ないじかく)
肛門の内側にできる痔で、出血や**脱出(肛門の外に出ること)**が主な症状です。
痛みが少なく、自分では気づきにくいこともありますが、トイレで出血がある場合は注意⚠
外痔核(がいじかく)
肛門の外側にできるタイプで、腫れや強い痛みが特徴です。
触るとコリコリとしたしこりがあったり、座るだけでつらい…という症状が現れます。
裂肛(れっこう)=切れ痔
肛門の皮膚が裂けることで、鋭い痛みと出血を伴うのが裂肛です。
排便時にズキッとする痛みがあり、排便を避けたくなるほどの苦痛を感じる人も。
痔瘻(じろう)
肛門周囲に膿がたまり、膿瘍や痛みを引き起こすのが痔瘻です。
悪化すると発熱を伴うこともあり、自然治癒せず手術が必要になるケースもあります。
痔を放置するとどうなる?放っておくと怖いリスク
「痔くらい大丈夫」と思ってそのままにしておくと、以下のような問題が起こる可能性があります。
症状が悪化して日常生活に支障
軽い不快感から始まった症状も、進行すると出血量が増えたり、強い痛みや腫れに発展します。
椅子に座れない・長時間歩けないなど、生活の質が低下してしまうことも。
血栓性外痔核に!
外痔核に血栓ができると、突然の激痛としこりが発生します。
こうなると日常生活に大きな支障をきたし、自然には治りにくくなります。
慢性的な出血 → 貧血に?
内痔核による出血が続くと、貧血になる可能性もあります。
めまいや息切れといった症状が現れる前に、早めの対応を。
手術が必要になることも…
放置して重症化すると、薬や生活改善では治らず手術が必要になるケースもあります。
早期に治療を始めておけば、もっと簡単に治っていたのに…という人も少なくありません。
痔の治療法は?軽度なら自宅ケアでも改善可能!
痔の治療は、症状の重さや種類によって異なります。軽症であれば、自宅でのケアと市販薬で改善することも可能です。
保存療法(生活習慣+薬)
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・食物繊維をしっかりとる
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・便秘・下痢を防ぐ
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・長時間の座位を避ける
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・清潔を保つ・お風呂で温める などを心がけましょう。
薬は、坐剤・軟膏・内服薬が使われます。痛みや炎症、出血を抑えてくれます。
外来処置
保存療法で改善が見られない場合は、専門医による処置が必要です。
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・硬化療法:薬剤を注入し、痔核を縮める治療
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・ゴム輪結紮法:痔核に輪ゴムをかけて血流を止め、自然に脱落させる方法
これらは比較的負担が少なく、日帰りで受けられることもあります。
手術療法
痔が進行してしまった場合や再発を繰り返す場合は、手術が必要になることも。
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結紮切除術(けっさつせつじょじゅつ):痔核を切除し、根本から治療します。
まとめ
恥ずかしがらず、早めの対処が大切!
痔は決して珍しい病気ではありません。むしろ、日本人の3人に1人が痔に悩んだことがあるとも言われています。
でも、だからこそ「そのうち治る」と放っておかずに、早めのケアや受診がとても大切です。
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軽い段階なら生活習慣や薬で改善可能
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悪化すると日常生活に支障をきたし、手術が必要になることも
「お尻のことだから恥ずかしい…」と思わずに、専門の医療機関へ相談しましょう。
ほんの少し勇気を出すことで、あなたの生活はぐっと快適になりますよ✨
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。