みなさんは「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」という病気をご存知でしょうか?
あまり聞きなれない名前なので、ちょっと怖い印象を受けるかもしれませんね。
でも実は、この病気は誰にでも起こり得るもので、ちょっとした違和感から始まることが多いんです。
そこで今回は、肛門周囲膿瘍の症状や原因、放置した場合のリスク、いぼ痔との違い、そして治療法・予防法まで、わかりやすく丁寧に解説します!
「おしりのことだから恥ずかしくて相談しづらい…」という方にも読んでほしい内容です。
ぜひ最後までご覧ください😊
1. 肛門周囲膿瘍ってどんな病気?🤔
肛門周囲膿瘍とは、肛門の周囲に膿(うみ)がたまって炎症を起こす病気です。
膿は体内の免疫反応によって作られるもので、ばい菌や異物を外に出そうとする働きがありますが、それが皮膚の下でたまり続けると、強い痛みや腫れ、発熱などを引き起こしてしまいます。
この状態をそのままにしておくと、炎症がさらに広がったり、痔瘻(じろう)という別の病気に進行したりする可能性もあるんです💦
2. どんな症状が出るの?注意すべきサインはこれ!⚠️
肛門周囲膿瘍にかかった場合、以下のような症状が現れることが多いです。
🔸 肛門周囲の腫れと痛み
肛門の周囲が赤く腫れて、強い痛みを感じるようになります。歩いたり座ったりするのも辛くなることがあります。
🔸 発熱
膿がたまって炎症を起こしているため、発熱する場合も。微熱から高熱まで、個人差があります。
🔸 排便時の強い痛み
排便のたびに激しい痛みを感じたり、排便を我慢してしまうようになることもあります。
🔸 肛門の熱感・赤み
肛門まわりが熱を持ち、触ると明らかに腫れている・熱くなっていることがあります。
「ただの痔かな?」と思って放置しがちですが、実はこの時点で膿がどんどんたまり始めているかもしれません!
3. 放っておくとどうなるの?😰
「痛いけど、そのうち治るかも…」と放置してしまうと、さらに深刻な状態になる恐れがあります。
🚨 痔瘻(じろう)へ進行するリスク
膿が自然に排出されず、皮膚の下にトンネル状の通り道ができてしまうと、痔瘻と呼ばれる病気になります。
この状態になると自然治癒は難しく、手術が必要になることが多いです。
🚨 感染症の拡大
膿が広がることで、周囲の組織にも感染が及び、より大きな手術が必要になったり、入院を伴うこともあります。
早期の段階で治療を行えば、処置も簡単で済むことが多いので、少しでも違和感がある時点で専門医の診察を受けましょう!
4. いぼ痔とどう違うの?🔍
「おしりが腫れているけど、これっていぼ痔かな?」と思う方も多いと思いますが、肛門周囲膿瘍といぼ痔(外痔核)はまったく異なる病気です。
<比較項目> | 【肛門周囲膿瘍】 | 【いぼ痔(外痔核)】 |
原因 | 感染による膿の溜まり | 血管のうっ血・血栓 |
症状 | 激しい痛み・腫れ・膿の排出・発熱 | 軽い痛み・腫れ・排便後の出血 |
治療法 | 切開排膿・抗生物質・手術 | 薬・生活習慣改善・まれに手術 |
放置のリスク | 痔瘻への進行・感染拡大 | 悪化しても重症化しにくい |
発症部位 | 肛門の周辺皮下 | 肛門の外側の血管 |
似ているようでまったく違う病気なので、自己判断せず、医師の診察で正しく診断してもらうことが大切です。
5. 肛門周囲膿瘍の治療法🩺
肛門周囲膿瘍の治療は、症状の程度によって異なります。
💊 抗生物質の投与
軽度の炎症なら、抗生物質を使って膿の広がりを抑える治療が行われます。
✂️ 切開による膿の排出
膿がたまっている場合は、局所麻酔のもとで膿を出す処置が必要です。これで痛みが大幅に軽減されることが多いです。
🏥 痔瘻へ進行した場合の手術
もし痔瘻に進行してしまった場合は、瘻管(ろうかん)と呼ばれるトンネル状の部分を切除する手術が必要になります。
入院を伴うこともあるため、早めの受診がやはり重要です!
6. 肛門周囲膿瘍の予防法🛡️
毎日の生活習慣を見直すことで、肛門周囲膿瘍の予防ができます!
✅ 便秘や下痢を避ける
便秘や下痢が続くと、肛門への負担が大きくなります。食物繊維を多く含む食事や、水分補給を意識しましょう。
✅ トイレに長時間座らない
力みすぎたり長く座ったりするのは肛門への刺激となり、炎症のきっかけになります。
✅ 肛門周りの清潔を保つ
肛門周囲の皮膚はデリケートなので、優しく洗って清潔を保ちましょう。
7. まとめ:早めの受診が安心のカギ🔑
肛門周囲膿瘍は、我慢しても自然に治ることは少なく、放置すればするほどリスクが高まる病気です。
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・おしりが腫れている
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・痛みや熱っぽさがある
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・排便時に強い痛みを感じる
このような症状に心当たりがある方は、恥ずかしがらずにすぐに病院を受診してください。
専門医は日常的にこうした症状を診ていますから、気にしすぎなくて大丈夫です。
あなたの快適な毎日を守るためにも、「おかしいな」と思ったら、早めの行動が大切です!
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。