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2025.06.30

食事・排便・運動で変わる!痔の予防法まとめ

痔は、日常生活の中に潜む「ちょっとした習慣」が原因で悪化することがあります。

知らず知らずのうちに続けている生活習慣が、実は痔のリスクを高めているかもしれません。

この記事では、痔を引き起こしやすい生活習慣と、それを予防するための具体的な対策を5つのポイントに分けてご紹介します。


1. 長時間の座りっぱなしと運動不足

オフィスでのデスクワークや長距離の運転など、長時間同じ姿勢で座り続けることは、肛門周囲の血流を滞らせ、痔の原因になります。血液の流れが悪くなると、肛門の静脈に負担がかかり、うっ血が起こりやすくなります。

また、現代人に多い「運動不足」も要注意です。体を動かさない生活が続くと、全身の血行が悪化し、肛門まわりにも悪影響を与えてしまいます。

<対策>

・1時間に1回は立ち上がって軽くストレッチ

・エレベーターではなく階段を使う

・通勤や買い物の際にウォーキングを意識する

このようなちょっとした工夫で、血流が改善され、痔の予防につながります。


2. 食生活の乱れと便通への影響

食物繊維の不足や水分不足は、便秘の大きな原因になります。便が硬くなると排便時に強くいきむことになり、肛門に強い圧力がかかってしまいます。さらに、脂っこい食事や辛いもの、アルコールなどの刺激物の摂りすぎも、肛門に炎症を起こしやすくなります

<対策>

・野菜、果物、海藻、きのこなど、食物繊維の多い食品を積極的に

・水分は1日1.5~2リットルを目安にしっかり摂取

・過度な刺激物や油っこい食事は控えめに

便通をスムーズに保つことで、肛門への負担を軽減し、痔の予防になります。


3. 排便習慣と肛門への負担

便意を感じたら我慢せず、スムーズに排便することが大切です。便秘を放置したり、トイレで長時間座ってスマートフォンを見るなどの習慣は、肛門に過剰な負荷をかけてしまいます

特に「強くいきむ」ことは、痔核(いぼ痔)を悪化させる原因になります。

<対策>

・便意は我慢せず早めにトイレへ

・トイレでは5分以内に終えることを意識

・スマホの使用は排便後に

リラックスして排便することで、肛門への負担を最小限に抑えることができます。


4. ストレスと自律神経の乱れ

強いストレスは自律神経のバランスを崩し、腸の動きを鈍らせたり、逆に活発にしすぎたりすることで、便秘や下痢を引き起こします。これが繰り返されると、肛門に刺激を与え続け、痔を悪化させてしまいます。

<対策>

・意識的に深呼吸や軽い運動を取り入れてリラックス

・自分の好きなこと(音楽・読書・散歩など)の時間を確保

・規則正しい睡眠と食事で生活リズムを整える

心と体のバランスを整えることが、痔の予防にもつながります。


5. 日常生活のちょっとした工夫で予防

日々の生活にちょっとした注意を払うだけで、痔の予防は可能です。

<対策例>

・トイレに長く座らない

・清潔な下着を使用し、肛門周囲の衛生を保つ

・お風呂では肛門をやさしく洗う

・冷えないように下半身を温める

こうした小さな工夫が、肛門への負担を減らし、再発の予防にもつながります。


まとめ

\ 痔は「生活習慣の見直し」で予防・改善できる疾患 /

長時間の座位や運動不足、乱れた食生活、排便時の悪習慣、そしてストレスなど、複数の要因が複雑に絡み合っているのが特徴です。

まずは、自分の生活スタイルを見直し、できるところから改善を始めてみましょう。

そして、もし症状が続く場合や悪化していると感じたら、早めに専門の医療機関を受診することをおすすめします。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。