下剤を飲まない大腸カメラ検査とは?
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸がんやポリープの早期発見に非常に有効な検査です。
しかし、そのハードルとして多くの方が「前処置=下剤の服用」に苦手意識を持っています。
通常は、検査前日に大量の下剤を自宅で飲み、腸の中をきれいにする必要があります。
ですが、「量が多くて飲みきれない」「味が苦手」「体調が悪くなる」といった理由で、検査を避けてしまう方も少なくありません。
こうした負担を軽減するために、当院では「下剤を飲まずに受けられる大腸カメラ検査」を導入しています。具体的には、以下の2つの方法をご用意し、患者さまの希望や体調に応じて選択いただけます。
「内視鏡的洗浄液注入法」とは?
この方法は、検査当日に胃カメラを使って直接腸内に洗浄液を注入するというものです。鎮静剤を使用し、眠っている間に処置が行われるため、痛みや不快感もほとんどありません。
特徴とメリット
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〇 下剤を自宅で飲む必要がない
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〇 胃カメラと大腸カメラを同日に受けられる
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〇 一度の来院で上部・下部消化管のチェックが可能
デメリットと注意点
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・保険適用外となるため、費用は全額自己負担
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・洗浄液だけでは腸が完全にきれいにならない場合、追加で下剤を飲む必要があることも
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・原則として70歳未満が対象。ただし、健康状態により例外もあり
「鼻チューブ法」とは?
もうひとつの選択肢が、「鼻チューブ法」です。検査前に細いチューブを鼻から胃に通し、洗浄液を少しずつ注入。腸まで自然に流れ込み、排便によって腸をきれいにする方法です。
特徴とメリット
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〇 下剤の味や大量摂取の負担がない
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〇 胃カメラを行わないため、コストが抑えられる
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〇 比較的手軽に腸の前処置が可能
デメリットと注意点
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・鼻にチューブを通すときに違和感を覚える方も
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・局所麻酔にキシロカインを使用するため、アレルギーがある方は不可
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・材料費が別途必要
どちらを選べばいい?当院での対応
「内視鏡的洗浄液注入法」も「鼻チューブ法」も、共通して“下剤を自宅で飲まなくてよい”という利点があります。当院では、内視鏡専門医が事前に丁寧な問診と診察を行い、患者さん一人ひとりに最適な方法をご提案しています。
「下剤がつらくて検査をためらっていた」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
→ 詳しくはこちら:当院の下剤なし大腸カメラのご案内
まとめ
下剤を飲まないで受けられる大腸カメラ検査は、「内視鏡的洗浄液注入法」と「鼻チューブ法」の2種類があります。それぞれに特徴があり、患者さんの体調や希望に応じて選択できます。
下剤の負担で大腸カメラを避けていた方にこそ、ぜひ知っていただきたい選択肢です。正確で負担の少ない検査を受けて、大腸の健康を守りましょう。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。