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2025.07.20

お腹にズキンと走る痛み…実はこんな病気かも?症状別に徹底解説

「お腹がズキッと痛む」「いつもの腹痛とちょっと違う気がする」——そんな経験はありませんか?

腹痛は日常的によくある症状のひとつですが、中には重大な病気のサインとなるケースもあります。特に「刺すような鋭い痛み」が突然現れた場合は、慎重な対応が必要です。

この記事では、腹痛の種類や原因、受診の目安、検査方法までを詳しく解説。放置せず、早めに対処することが健康への第一歩です。


1. 腹痛の種類を知ることで原因が見えてくる

腹痛にはいくつかのタイプがあり、それぞれ感じ方や原因が異なります。

内臓痛(鈍い痛み)

腸や胃が収縮・膨張した際に感じる痛み。

「お腹全体が重い」「しくしく痛む」といった漠然とした感覚で、便秘や過敏性腸症候群などが原因のことが多いです。

体性痛(鋭い刺すような痛み)

腹膜や筋膜が刺激されることで生じる痛み。

「場所がはっきりしていて、刺すように痛い」のが特徴です。虫垂炎や胆のう炎、尿路結石などが原因となることもあります。

関連痛(他の場所からの痛み)

例えば心臓の異常が肩に痛みとして現れるように、腹部の痛みが本来の部位以外に感じられるケースです。

これらの区別は診断の手がかりになります。ご自身の痛みの特徴をよく観察することが大切です。


2. 腹痛の原因となる主な病気

腹痛を引き起こす疾患は多岐にわたります。特に「刺すような鋭い痛み」がある場合は、次のような疾患が疑われます

  • 虫垂炎(盲腸)右下腹部に急激な痛みが生じ、時間とともに強くなります。放置すると破裂するリスクがあります。

  • 胆石・胆のう炎右上腹部やみぞおちに強い痛み脂っこい食事の後に起こりやすいです。

  • 尿路結石:腰から下腹部にかけて激しい刺すような痛みが走ります。血尿を伴うこともあります。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍みぞおちの鋭い痛み。空腹時や夜間に悪化することが多く、出血を伴うことも。

  • 大腸憩室炎:左下腹部の痛みと発熱が特徴で、腸の壁にできた小さな袋(憩室)が炎症を起こします。

痛みだけでなく、発熱、吐き気、血便などの「付随する症状」もあれば、速やかに医療機関を受診するべきです。


3. 痛みの原因を調べる検査とは?

腹痛の原因を特定するためには、以下のような検査が行われます。

  • 胃カメラ(上部内視鏡検査):胃や十二指腸の状態を観察し、潰瘍や炎症、腫瘍の有無を確認します。

  • 大腸カメラ(下部内視鏡検査):大腸全体を詳しく観察し、ポリープやがん、炎症性腸疾患の有無を調べます。

  • 腹部超音波(エコー)検査:胆のう、肝臓、膵臓などの臓器の状態を非侵襲的に確認します。

  • 血液検査:炎症や感染、貧血、内臓機能の異常がないかをチェックします。

患者様の症状や体調に応じて、適切な検査を組み合わせて行うことが診断のカギとなります。


4. ストレスと腹痛の意外な関係

腹痛の背景には、「ストレス」や「自律神経の乱れ」が隠れていることもあります。

  • 過敏性腸症候群(IBS):ストレスや緊張がきっかけとなり、便秘と下痢を繰り返す病気。腹痛も伴います。

  • 機能性ディスペプシア:胃の不快感や痛みがあるものの、検査で異常が見つからない状態

ストレス管理のためには、適度な運動や趣味、十分な睡眠、リラックスできる時間を意識的に確保しましょう。


5. 腹痛が続く場合の対処法と受診のすすめ

腹痛が続いていたり、「いつもと違う」と感じたときは、以下を参考に行動してください。

  • 自己判断せず医療機関へ:3日以上痛みが続く、繰り返す、強くなるなどの症状があれば、専門の診察を受けましょう。

  • 食事内容を見直す:脂っこいものや刺激物を控え、規則正しくバランスの良い食事を。

  • 体を休める:ストレスや過労も腹痛の原因に。ゆっくり休息を取りましょう。


まとめ

当院では、内視鏡検査をはじめとする専門的な検査を通じて、腹痛の原因を正確に診断しています。

鎮静剤を使った苦痛の少ない検査で、初めての方にも安心して受けていただけます。

腹痛に悩んでいる方は、我慢せずお気軽にご相談ください。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。