最近、突然「胃がムカムカする」「キリキリとした痛みがある」と感じることはありませんか?そんな症状は、急性胃炎の可能性があります。急性胃炎とは、胃の内側を覆う粘膜に急激な炎症が起こる病気で、突然の強い腹痛や吐き気、ひどい場合は吐血や黒い便(下血)なども伴うことがあります。日常の生活習慣が原因となることも多く、放置すると症状が悪化しやすいため、早期の対応が非常に重要です。
胃は粘液で自らを守っていますが、暴飲暴食やストレス、薬の副作用などでその防御機能が低下すると胃酸が粘膜を傷つけてしまいます。急性胃炎は子どもからお年寄りまで幅広い年代で起こり得る身近な疾患ですが、症状が重くなる前に適切なケアをすることで回復が早まります。
急性胃炎の代表的な症状とは?
急性胃炎の症状は多様ですが、代表的なものをご紹介します。
-
・みぞおちのキリキリとした痛みや鈍い痛み
-
・胃のムカつき、吐き気、嘔吐
-
・食欲がなくなる
-
・胃の張りや膨満感
-
・下痢や軟便を伴うこともある
-
・重症化すると吐血や黒い便(下血)が見られることも
これらの症状は食後や空腹時、あるいは精神的なストレスがかかるタイミングで悪化しやすいのが特徴です。急に症状が強くなることもあるため、風邪や胃腸炎と勘違いせず、症状が長引く場合は医療機関の受診をお勧めします。
急性胃炎の原因を詳しく知ろう
急性胃炎は様々な原因が重なり合って起こります。主な原因を挙げると以下のようになります。
”暴飲暴食や刺激物の摂取”
脂っこい食事や辛いもの、アルコールは胃に強い刺激を与えます。特に空腹時のアルコール摂取は胃粘膜に大きな負担となります。
”ストレスや自律神経の乱れ”
精神的・身体的ストレスが胃酸分泌を過剰にし、血流を悪化させて胃の防御機能を低下させます。
”薬剤の副作用”
解熱鎮痛剤やステロイド、抗生物質の中には胃の粘膜を傷つけるものがあります。特に長期間服用する方は注意が必要です。
”細菌やウイルス感染”
ピロリ菌感染は慢性的な胃炎の原因になるほか、急性胃炎の引き金にもなります。ノロウイルスなども胃の炎症を悪化させることがあります。
こうした複合的な要因を理解し、生活習慣の改善を心がけることが、再発防止に繋がります。
急性胃炎の検査と治療の流れ
胃の不調を感じたら、まずは問診で症状の経過や生活習慣、服薬歴を詳しくお聞きします。
その上で必要に応じて内視鏡検査(胃カメラ)を行い、胃の粘膜の状態を直接観察します。
内視鏡検査では、炎症の程度、ただれや潰瘍の有無、出血の有無を確認します。必要に応じて組織を採取して詳しい検査も可能です。また、ピロリ菌の検査も同時に行えます。
治療は主に薬物療法で、胃酸の分泌を抑える薬(PPIやH2ブロッカー)、胃粘膜保護剤、吐き気止めや整腸剤を症状に合わせて使い分けます。さらに生活習慣の見直しが不可欠で、暴飲暴食や刺激物の制限、ストレスケア、薬の適正使用を指導します。
急性胃炎を防ぐためにできること
胃炎の予防は日々の生活習慣が鍵です。以下の点を意識しましょう。
-
・脂っこい食事や辛いもの、炭酸飲料を控え、よく噛んでゆっくり食べる
-
・空腹時の飲酒は避け、適量を守る
-
・薬の服用は医師の指示に従い、胃薬の併用も検討する
-
・ストレスをため込まず、十分な睡眠とリラックス時間を確保する
-
・定期的に内視鏡検査を受けて胃の状態をチェックする
胃の不調を軽く見ず、早めに対策をとることで重症化を防げます。
まとめ
急性胃炎は突然起こる胃の炎症で、強い腹痛や吐き気を引き起こします!
暴飲暴食やストレス、薬の影響などが主な原因です。早めに正確な診断と治療を受け、日常生活で胃に負担をかけないことが大切です。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、内視鏡検査や生活指導を通じて、あなたの胃の健康をしっかりサポートします。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。