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2025.07.31

水のような便が続く原因は?考えられる病気と正しい対処法とは

「最近トイレに行く回数が増えている」「お腹がゴロゴロして水のような便がすぐに出てしまう」そんな症状に心当たりはありませんか?

一見、食べ過ぎや冷えによる一時的な不調のようにも思えますが、水様便が何日も続く場合は、体の中で何らかの異変が起きているサインかもしれません。

このページでは、水様便の原因、注意すべき症状、受診のタイミング、日常生活での対策、そして当院(大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック)での治療方針について詳しく解説します。


1. 水様便とは?特徴と分類

水様便とは、通常の便よりも水分を多く含み、形がなくサラサラとした液体状の便のことを指します。水分量が90%を超えると「水様便」とされ、トイレで見た目にも明らかに通常と異なる状態です。

水様便は大きく以下の2つに分類されます。

  • 急性水様便:数日~1週間程度で自然に回復するもの。感染や食事による影響が主な原因です。

  • 慢性水様便:3週間以上続く場合。消化器の病気や慢性的な炎症など、何らかの疾患が隠れている可能性があります。

慢性化している場合は、自然に治ることは少なく、必ず専門医の診察が必要です。


2. 水様便が続く主な原因

水様便が続く背景にはさまざまな原因が考えられます。以下は代表的なものです。

  • 感染性腸炎

     ウイルス(ノロウイルス・ロタウイルスなど)や細菌(カンピロバクター、サルモネラなど)によって腸が炎症を起こし、水様便、発熱、腹痛、嘔吐を伴います。

  • 過敏性腸症候群(IBS)

     ストレスや生活習慣の乱れが原因となり、下痢型のIBSでは水様便が慢性的に続くことがあります。

  • 炎症性腸疾患(IBD)

     潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸の内部で炎症が慢性化している病気。血便や体重減少を伴うこともあり、早期の診断と治療が必要です。

  • 薬剤性の下痢

     抗生物質や一部の制酸薬が腸内環境を乱し、水様便を引き起こすことがあります。

  • 食物不耐症

     乳糖不耐症やグルテン不耐症など、特定の食品を消化吸収できずに水様便になることがあります。


3. 医療機関を受診すべきサインとは?

水様便が1~2日で治まる場合は様子を見てもよいケースもありますが、以下のような症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。

  • 1週間以上水様便が続いている

  • 発熱・悪寒・嘔吐を伴う

  • 血便や黒色便が出る

  • 体重が急激に減っている

  • 倦怠感やめまいがある

  • 下痢と便秘を交互に繰り返す

医療機関では、以下のような検査が行われます。

  • 便検査:感染症や腸内細菌バランスのチェック

  • 血液検査:炎症や栄養状態の確認

  • 大腸内視鏡検査:腸の炎症や腫瘍の有無を直接確認

  • 画像検査(CT/MRI):腸や周辺臓器の状態を把握


4. 自宅でできる対策と予防法

検査前日日常生活の工夫でも、水様便の改善や予防が可能です。

  • 食事の見直し:脂っこいものや辛い刺激物、アルコールは避け、胃腸に優しい食材(おかゆ・うどん・バナナなど)を摂りましょう。

  • 水分補給:水様便では体内の水分・電解質が大量に失われます。水分に加え、経口補水液(OS-1など)の摂取が有効です。

  • ストレス対策:ストレスが腸に影響を及ぼすことがあるため、適度な運動や趣味の時間を持つことも大切です。

  • 規則正しい生活:睡眠不足や生活リズムの乱れは腸内環境を悪化させる要因になります。


5. 大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでの対応と治療

当院では、以下のような対応を行い、患者様の状態にあわせた治療を提供しています。

  • 丁寧な問診とカウンセリング

     生活習慣や食事内容、ストレスの有無まで細かくヒアリング。

  • 必要な検査の実施

     便・血液・内視鏡・画像検査などから原因を特定。

  • オーダーメイドの治療方針

     症状に応じた薬物療法・食事指導・生活習慣改善を行います。

  • 継続的なフォローアップ

     症状の変化に応じて治療内容を柔軟に見直していきます。

「ただの下痢だろう」と軽視せず、お困りの際はお気軽にご相談ください。


まとめ

水様便は、放っておくと体力低下や深刻な病気の見逃しにつながる可能性があります。

特に1週間以上続いたり、他の症状を伴う場合は要注意です。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、丁寧な診察と適切な検査で原因を明らかにし、患者様一人ひとりに合った治療を行っています。気になる症状がある方は、ぜひご相談ください。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。