「食べ物が喉を通りにくい」「胸の奥が重苦しい」――そんな日常のちょっとした違和感が、実は「食道ポリープ」のサインかもしれません。
食道ポリープは、食道の内側にできる小さな隆起(できもの)で、ほとんどが良性です。しかし、中には放置することでがん化する可能性のあるタイプもあるため、早期発見と的確な対応が非常に重要です。
特に初期段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断や内視鏡検査で偶然見つかるケースも多く見られます。この記事では、見落としがちな初期症状や検査方法、治療法について詳しくご紹介します。
食道ポリープとは?症状がなくても安心できない理由
食道ポリープは、食道の粘膜にできる小さな突起状の腫瘍です。
大きさは数ミリから数センチとさまざまで、ほとんどが良性ではあるものの、一部は前がん病変(がんになる前段階)である可能性もあります。
原因としては、胃酸の逆流や長期間にわたる食道の炎症などが関与していると考えられています。
ポリープ自体は痛みを伴わないことが多いため、知らないうちに大きくなっているケースも珍しくありません。
初期症状の特徴|「なんとなく変」を見逃さない
食道ポリープの初期症状には、以下のような軽微な違和感があります:
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☑ 食べ物や飲み物を飲み込みにくい(嚥下困難)
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☑ 胸の奥のつかえ感・チクチクするような違和感
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☑ 食後に感じる軽い吐き気や喉の異物感
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☑ 胸やけやゲップが増える
これらの症状は、逆流性食道炎や風邪と間違えられることもあります。しかし、数日~数週間経っても改善しない場合は、医療機関での検査を強くおすすめします。
早期発見の重要性|内視鏡検査でがん化のリスクを抑える
自覚症状が少ない食道ポリープを見つけるには、「内視鏡検査(胃カメラ)」が最も有効です。
検査では、食道の内壁を直接観察し、小さなポリープも見逃しません。
早期に発見すれば、簡単な内視鏡処置で切除でき、治療後の経過も良好です。
一方で放置すると、大きくなってからの治療は外科的手術が必要になるケースもあり、患者様への負担も大きくなります。
検査方法と診断の流れ
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内視鏡検査(胃カメラ):粘膜の状態を直接観察し、ポリープを視認します。
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生検(組織検査):ポリープの一部を採取し、良性か悪性かを病理検査で確認。
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画像検査(CTやMRI):広がりや周囲臓器への影響がないかを調べます。
治療法とその後の経過|再発予防のためのフォローアップも大切
ポリープの大きさや状態に応じて、治療方法は異なります。
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内視鏡的切除:小さくて浅いポリープは内視鏡で除去可能。
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外科手術:大きなポリープや内視鏡での切除が困難な場合に適用。
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経過観察:良性で症状がなければ、定期的な検査のみで様子を見ることもあります。
治療後は再発の可能性や合併症を確認するため、定期的なフォローアップが欠かせません。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでのサポート体制
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、食道ポリープの診断から治療、アフターフォローまで一貫した医療体制を整えています。
経験豊富な消化器専門医が丁寧に診察を行い、必要に応じて迅速な内視鏡検査を実施。
違和感を感じたら「気のせいかも」と放置せず、お気軽にご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。