「最近、みぞおちがキリキリ痛むけど、これって便秘が原因かも?」と感じたことはありませんか?
みぞおちの痛みは、食べ過ぎや胃の不調と思い込みがちですが、実は便秘によって上腹部に痛みや違和感が起こることもよくある症状です。特に胃が下がりやすい胃下垂の方や過敏性腸症候群を持つ方は、便秘が悪化すると腸の動きが鈍くなり、腸が胃の周囲を圧迫してみぞおち周辺に不快感や痛みが出ることがあります。
この記事では、便秘によるみぞおちの痛みの原因を詳しく解説するとともに、見落とされやすい他の病気の可能性や、生活習慣の見直し方、そして症状が重いときに受診すべきタイミングまで、専門医の視点でわかりやすくまとめました。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでも多くの患者様と向き合う症状ですので、ぜひ参考にしてください。
1. みぞおちの痛みと便秘の関係とは?
便秘になると腸内に便が溜まって腸管が膨らみ、その結果として腸の位置が変わったり、腸が胃の付近を圧迫したりすることがあります。
特に胃下垂の方や過敏性腸症候群の患者さんでは、腸の動きが低下しやすいため、排便障害とともに「お腹の張り」や「みぞおちのキリキリとした痛み」が出やすいのです。
また、「ねじれ腸」と呼ばれる腸の形状の異常がある方では、特定の場所に痛みが集中しやすく、長期間にわたりみぞおちの痛みを訴えるケースもあります。こうした痛みは腸の動きの悪化をさらに招き、便秘を悪循環にしてしまうこともあります。
このように、みぞおちの痛みは単なる胃の不調ではなく、便秘のサインである可能性もあるため、早めに便通の状態や食生活を見直すことが大切です。
2. 便秘以外に考えられるみぞおち痛の原因
みぞおちの痛みは原因が多岐にわたるため、便秘以外にも以下のような病気が考えられます。自己判断せず、症状に注意しましょう。
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・胃・十二指腸潰瘍や急性胃炎、機能性ディスペプシア(胃の不調)
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・ピロリ菌感染症
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・胆石症や胆のう炎
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・虫垂炎(初期はみぞおち痛、後に右下腹部痛へ移行)
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・急性膵炎
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・心筋梗塞や血管異常収縮など循環器系の疾患
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・食中毒などの感染症
みぞおちの痛みが強い場合や他に気になる症状があれば、速やかに医療機関を受診してください。
3. 便秘によるみぞおち痛の具体的な改善法
便秘とそれに伴うみぞおちの痛みを改善するには、まず日々の生活習慣を見直すことが基本です。
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・食物繊維と水分の摂取を意識する:野菜や海藻、豆類などをバランスよく取り入れ、1日1.5~2リットルの水分補給を心がけましょう。ただし、生野菜のサラダだけでなく、調理した食材も取り入れることがポイントです。
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・規則正しい排便習慣をつくる:特に朝食後に排便を習慣化することが効果的です。また、お腹のマッサージで腸を刺激する方法もおすすめです。
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・適度な運動とストレス対策:ウォーキングや軽いストレッチ、リラクゼーションは腸の働きを助け、過敏性腸症候群の症状緩和にも役立ちます。
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・便秘薬や漢方の活用:酸化マグネシウムなどの緩下剤や漢方薬を使う場合は、医師や薬剤師と相談しながら安全に取り入れましょう。
これらの方法を実践しても改善しない場合や痛みが強い場合は、専門機関での診察をおすすめします。
4. こんなときは要注意!受診を検討すべき症状
次の症状がある場合は、ただちに医療機関の受診が必要です。特に夜間や休日でも迷わず診察を受けましょう。
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・痛みが鋭く強くなり、時間とともに悪化する
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・嘔吐や38度以上の発熱がある
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・排便後も痛みが続く、黒色便や血便が出る
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・お腹がパンパンに張って硬い
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・意識障害や強いだるさを感じる
これらは虫垂炎や腸閉塞、膵炎、消化管出血などの重大な疾患が隠れている可能性があります。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは必要に応じて胃カメラや大腸カメラ、エコー検査を行い、丁寧に原因を特定します。
5. 大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックがすすめるセルフケア法
日常的にできるセルフケアで腸の健康を守りましょう。
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朝の「お腹のほぐし体操」:仰向けに寝て膝を立て、みぞおちからお腹全体を時計回り・反時計回りにゆっくりマッサージ。腸の動きを促します。
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水分+発酵食品の習慣化:白湯に加え、ヨーグルトや納豆など乳酸菌・酪酸菌を含む発酵食品を毎日摂取しましょう。
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トイレのタイミングを決める:毎朝決まった時間にトイレに行く習慣をつけ、食後や水分補給後の腸の反射を活用して快便を促します。
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ストレスケア:深呼吸や軽いストレッチ、趣味や散歩など自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。過敏性腸症候群の症状緩和にも効果的です。
つらい便秘や痛みが続く場合は、無理せず大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックで専門的な診察と生活指導を受けてください。あなたの体調に合った最適なケアをサポートします。
まとめ
みぞおちの痛みは胃の問題と思いがちですが、便秘が原因で起こるケースも少なくありません。
特に腸が胃を圧迫することによる痛みや不快感は慢性的な便秘と密接に関わっています。
強い痛みや嘔吐、血便などのサインがあれば重大な疾患の可能性もあるため、早めに検査や受診をしましょう。
まずは食生活や排便習慣、運動、ストレス管理など生活改善を根本から見直し、改善しない場合は専門医に相談してください。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは検査と継続的な支援で一人ひとりに最適な治療を提供しています。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。