「なんだか最近、胃がムカムカする…」「ストレスのせい?」そんな風に感じたことはありませんか?実はその違和感、体からの大切なサインかもしれません。
ストレスがたまると、自律神経が乱れたり、胃酸の分泌バランスが崩れたりして、胃の粘膜が傷つきやすくなります。その結果、胃のムカつきや胸やけ、軽い痛みを感じやすくなるのです。
日常的なストレスや生活習慣の乱れが積み重なると、胃に負担がかかりやすくなります。
今回は、そんな「ストレスによる胃の不快感」の原因をわかりやすく解説しながら、すぐできるセルフケアの方法や、受診が必要なサインについてご紹介します。胃のモヤモヤに悩んでいる方、ぜひ最後までチェックしてみてください。
1. 胃がムカムカするのはなぜ?ストレスが影響する仕組み
ストレスを受けると交感神経が優位になり、胃の血流が低下します。
これにより胃粘膜がダメージを受けやすくなり、胃酸の分泌も乱れがちに。逆に、副交感神経が過剰に刺激されると胃酸が出すぎて、胃がムカムカしたり、胸焼けを起こしたりします。
医学的にはこうした症状は「機能性ディスペプシア」や「神経性胃炎」と呼ばれることもあります。
胃カメラなどの検査で明らかな病変がないのに症状が続く…そんな状態です。
2. ストレスで胃が不調になる主な原因
以下のような要因が組み合わさって、胃に不快感をもたらします:
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・自律神経の乱れ:ストレスで胃の働きを司る神経信号が混乱し、胃の動きや血流が悪化。
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・胃酸過多:神経のバランスが崩れることで、胃酸が過剰に出て胃粘膜を刺激。
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・胃の蠕動運動の乱れ:消化がうまく進まず、食べ物が長く胃にとどまりムカムカを感じやすく。
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・生活習慣の乱れ:睡眠不足、カフェイン過多、アルコール、夜食などが胃に負担をかけます。
3. 今すぐできるセルフケアと注意点
✔ 今すぐできる対処法
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・深呼吸や瞑想:自律神経のバランスを整え、胃の動きも安定します。
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・ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる(38~40℃):副交感神経を優位にしてリラックス効果UP。
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・白湯や温かい飲み物を少しずつ:胃に優しく、冷えや刺激から守れます。
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・消化に良い食事を:おかゆ、煮込みうどん、バナナなどを選びましょう。
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・市販薬(制酸剤・胃粘膜保護薬):一時的な症状には有効ですが、連用は避けましょう。
⚠ 避けたいこと
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・辛い物・カフェイン・アルコールの摂取
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・夜遅くの食事やスマホの見過ぎ
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・冷たい飲み物を一気に飲むこと
4. こんな症状が続いたら医療機関へ
以下のような症状がある場合は、消化器内科での検査をおすすめします:
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・胃のムカムカが1週間以上続いている
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・吐き気・嘔吐・極端な食欲低下がある
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・黒っぽい便や吐血、激しい胃痛がある
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・急激な体重減少や貧血を感じる
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・胃潰瘍やピロリ菌感染の既往歴がある
🩺 検査内容の例
5. 胃と心の健康を守る生活習慣
日々の積み重ねが胃の健康を保ちます。以下のような習慣を取り入れましょう:
🥣 食事習慣
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・よく噛んでゆっくり食べる
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・刺激物や脂っこい食事は控える
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・食後すぐに横にならない
😴 睡眠とリズム
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・就寝前2~3時間前の入浴でリラックス
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・毎日同じ時間に起きる・寝るを習慣にする
🧘 ストレスケア
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・趣味や散歩、瞑想などでリフレッシュ
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・笑いや会話もストレス軽減に効果的
🚭 禁煙&軽い運動
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・タバコは胃粘膜の血流を悪化させるのでNG
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・軽いウォーキングは自律神経を整えます
まとめ
ストレスで胃がムカムカする症状は、体が出しているSOSのひとつ。
自律神経のバランスを整えることが、胃の不快感を和らげるカギになります。白湯や軽食などのセルフケアで様子を見つつ、長引く場合は早めの受診が安心です。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、丁寧な問診・胃カメラ検査・ストレス管理を含めたトータルなケアを行っています。「なんだか胃の調子が悪い…」と感じたら、気軽にご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。