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2025.08.16

下痢に血便が混じる原因とは?すぐできる正しい対策法

「トイレで下痢をしているときに、便に赤い血が混じっているのを見て驚いた…」そんな経験はありませんか?下痢と一緒に鮮血の血便が出ると、誰でも不安になりますよね。

実は、この症状は単なる痔や一時的な腸の炎症から、大腸がんなどの重大な病気まで、さまざまな原因が考えられます。

だからこそ、血便の色や量、痛み、発熱などの症状をしっかり観察し、適切に対応することが大切です。

このブログでは、下痢と鮮血便が出るときに考えられる主な病気、血便の色別の意味、すぐにできる対処法、医療機関での検査や治療について、そして自宅でできるセルフケアまで、詳しくわかりやすく解説します。安心して日常生活を送るために、ぜひ最後まで読んでみてください。


1. 下痢+鮮血便が出るときに疑う病気

下痢と鮮血便が同時に現れた場合、考えられる病気はいくつかあります。

大腸憩室からの出血やポリープ、大腸がんなどは、突然の大量出血や血便を引き起こすことがあります。特に中高年の方に多い虚血性腸炎は、左下腹部の激しい痛みと共に鮮血便が出ることが特徴です。

また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患では、粘液と血の混ざった下痢が続き、発熱や体重減少を伴う場合もあります。

さらに、痔や裂肛は痛みは少ない場合もありますが、下痢の刺激で肛門が傷つき鮮血が混じることがあります。感染性腸炎では、細菌感染による激しい腹痛や発熱、血便が現れることがあるため注意が必要です。


2. 血便の色からわかる出血場所

血便の色は、どの部分から出血しているかの目安になります。

鮮血の場合は肛門や直腸の近くからの出血が多く、痔や裂肛、または大腸の炎症が疑われます。

暗赤色赤黒い便は、大腸の奥の方からの出血で、がんや虚血性腸炎の可能性があります。

粘液と血が混ざる粘血便は炎症性腸疾患に多く、タール便と呼ばれる黒色便は胃や十二指腸など上部消化管の出血を示します。色だけで判断せず、痛みや発熱の有無、下痢の様子など他の症状とあわせて観察しましょう。


3. 鮮血便が出たときの対処法と注意点

鮮血の血便が出たら慌てず、まずは色・量・回数・痛み・発熱の有無を記録してください。

水分補給は脱水予防のために重要で、電解質入り飲料や整腸剤を利用すると良いでしょう。

食事は脂っこいものや刺激物を避け、小分けにして消化に良いものを摂ることがおすすめです。

肛門の血流改善には坐浴やぬるめのお風呂も効果的です。痔や裂肛が原因の場合、市販の止血薬や軟膏で一時的に症状を和らげることも可能です。

ただし、発熱や激しい腹痛、大量の出血、黒色便、体重減少がある場合はすぐに医療機関を受診してください。


4. 病院での検査と受診のタイミング

以下の症状がある場合は速やかに医療機関で検査を受けましょう。

頻繁に鮮血便が出る激しい腹痛や発熱、体重減少、黒色便が見られる便潜血検査が陽性40歳以上で大腸内視鏡検査を受けていない方などです。

検査では問診・便検査・血液検査・内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)・画像診断を行い、原因を詳しく調べます。

軽度な痔や感染症なら外来治療で済みますが、重症や腫瘍の疑いがある場合は専門的な治療が必要です。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、消化器専門医が一貫して診療にあたっています。


5. 自宅でできるセルフケアと生活改善

日常生活では、規則正しい食事と十分な水分補給を心がけ、食物繊維や発酵食品を取り入れて便通を整えましょう。

ストレス軽減や軽い運動、深呼吸も腸の緊張を和らげ自律神経のバランスを整えます。体を温める習慣や、排便時の姿勢を見直すことも効果的です。

坐浴や温水洗浄便座を利用して肛門周りの清潔を保ち、血流改善に努めましょう。これらの習慣で回復を促し、再発予防につながります。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。