「また胃が痛い…」「食後になるとみぞおちがズキズキする」──そんな経験、ありませんか?
多くの人が「ストレスかな」「食べすぎただけ」と考えてやり過ごしてしまいます。
しかし、胃痛は放置すると慢性化したり、思わぬ病気のサインであることも。
大切なのは、我慢せず、原因に合ったケアを早めに行うことです。
ここでは、胃痛の原因から食事の工夫、生活習慣の改善、そして医療機関での治療まで、5つのステップで詳しく解説します。
1. 胃痛の原因とは?|なぜ痛くなるのかを正しく知ろう
胃痛の原因は一つではなく、日常生活のちょっとした習慣から病気までさまざまです。
代表的なのは以下のようなケースです。
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・機能性胃腸障害・急性胃炎:暴飲暴食、睡眠不足、ストレスなどが主因。
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・ピロリ菌感染や潰瘍:長引く胃痛や繰り返す痛みの背景に隠れていることも。
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・逆流性食道炎:胃酸が食道に逆流し、胸やけや痛みを伴う。
胃は自律神経の影響を強く受けるため、精神的ストレスや緊張、生活リズムの乱れによって胃酸分泌が増え、胃粘膜が荒れてしまいます。
また、カフェイン・アルコール・香辛料などの刺激物も痛みの引き金になります。
まずは、「いつ・どんな状況で胃が痛むか」を記録することが、正しい対処の第一歩です。
2. 食べ物と胃痛の関係|避ける・摂るべき食品は?
胃に負担をかける食事は、症状を悪化させます。
✕避けたい食品))
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・脂っこい揚げ物や肉の脂身
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・香辛料、キムチ、にんにく
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・カフェイン(コーヒー・緑茶)
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・アルコール
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・炭酸飲料
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🔴おすすめ食品))
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・おかゆ、うどん、柔らかく煮た野菜
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・白身魚や豆腐などの消化に優しいタンパク質
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・キャベツ・生姜(胃粘膜保護効果)
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・バナナ・りんご(胃酸の中和作用)
「食べ方の工夫」も重要です。
少量をよく噛んで食べる、食後すぐに横にならない(30分は体を起こす)、夜遅くの食事を控えるなど、小さな習慣が胃の回復を助けます。
3. 胃痛を和らげるセルフケア|生活習慣の見直し
すぐに始められるセルフケアは以下の通りです。
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「規則正しい生活」
睡眠不足や夜更かしは自律神経を乱し、胃の働きを低下させます。起床・就寝時間を一定にしましょう。 -
「ストレス解消」
軽い運動、深呼吸、趣味の時間を持つ。ぬるめの入浴もリラックス効果大。 -
「腹部の保温・マッサージ」
みぞおちを温めると血流が改善し痛みが和らぐことがあります。時計回りの優しいマッサージも有効。 -
「市販薬の活用」
胃粘膜保護薬やH₂ブロッカーなどは一時的に役立ちますが、頻繁に使う場合は医師の診断を受けましょう。
4. こんなときは医療機関へ|受診の目安と検査
以下の症状がある場合は、すぐに医療機関へ相談してください。
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・1週間以上続く胃痛
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・強い痛みが繰り返す
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・吐き気・嘔吐・吐血
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・体重減少や貧血の兆候
診察では問診後、胃カメラや血液検査、ピロリ菌検査が行われます。
治療は原因に応じて薬物療法(胃酸抑制薬・粘膜保護薬・除菌治療など)が選ばれます。
5. 胃痛の治療と予防|再発を防ぐために
胃痛の再発を防ぐには、治療と並行して生活習慣の見直しが欠かせません。
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・胃酸抑制薬(PPI・H₂ブロッカー):胃酸を抑えて粘膜を保護
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・粘膜保護薬・消化酵素剤:胃を刺激から守る
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・漢方薬(六君子湯・半夏瀉心湯など):ストレス性や体質改善に有効
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・ピロリ菌除菌治療:胃潰瘍や胃がん予防にもつながる
まとめ
胃痛は一時的なものでも、背景に病気が隠れていることがあります。
食事・生活習慣の改善+必要に応じた医療のサポートが、症状の改善と再発予防の鍵です。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、胃痛の原因診断から栄養指導、薬物療法まで、患者様一人ひとりに合わせた治療を行っています。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。