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2025.08.29

血便や便通異常…もしかして直腸癌?原因と検査・予防法

「便に血が混じっている」「最近便通が不規則」「お腹の張りが取れない」――このような症状に心当たりがある方は、「もしかして直腸癌では?」と不安になるかもしれません。

直腸癌は大腸の中でも肛門に近い部分にできるがんで、初期には自覚症状がほとんどなく、気づいたときには進行していることも少なくありません。

しかし、直腸癌には生活習慣や遺伝、炎症性腸疾患など、あらかじめ知っておくことで予防や早期発見につながる要因があります。

ここでは、直腸癌の原因やリスク因子、検査や予防の方法までを詳しく解説します。


1. 直腸癌とは?基礎知識と主な症状

直腸癌は、大腸の出口にあたる直腸に発生する悪性腫瘍です。

多くは腺腫性ポリープが長い年月をかけてがん化して起こりますが、炎症性腸疾患や遺伝性疾患が原因となる場合もあります。

代表的な症状は以下の通りです。

  • 血便・下血、タール便(黒っぽい便)

  • 便秘や下痢が続く、便が細くなるなどの便通異常

  • 排便時の痛みや残便感

  • 下腹部の張り・腹痛

  • 貧血や体重減少

初期は無症状のことも多く、症状が出る頃には進行しているケースもあります。米国では45歳から検診が推奨され、患者の大半は50歳以上ですが、近年は若年層でも増えており注意が必要です。


2. 生活習慣によるリスク要因

直腸癌の発症には生活習慣が大きく関わります。特に以下のような習慣はリスクを高めます。

  • ・赤身肉・加工肉(ハム・ソーセージなど)の摂りすぎ

  • ・高脂肪食・高糖質食の常習化

  • ・喫煙や過度の飲酒

  • ・運動不足・肥満(特に内臓脂肪型)

  • ・食物繊維不足

  • ・一部の薬剤(NSAIDsやスタチンなど)の長期服用

これらの要因は腸内環境を悪化させ、炎症を引き起こし、ポリープのがん化を促進します。特に「肉の多い食生活+肥満+飲酒」はリスクを相乗的に高めるため要注意です。


3. 遺伝や炎症性腸疾患によるリスク

福利厚生生活習慣だけでなく、遺伝や持病によって直腸癌のリスクが高まる場合があります。

  • 家族歴や遺伝性疾患

    ↳親や兄弟に大腸癌の既往があるとリスクは2〜3倍。リンチ症候群や家族性大腸腺腫症(FAP)では生涯リスクが50%を超えることも。

  • 炎症性腸疾患(IBD)

    ↳潰瘍性大腸炎やクローン病を長期間患っていると、10〜20年後にはがん発生率が数倍に上がると報告されています。

  • その他の要因

    ↳放射線治療の影響や腸内細菌の異常が関与することもあります。

こうした高リスク群の方は、通常より頻回の検査や精度の高い検査が推奨されます。


4. 検査と予防でリスクを下げる

直腸癌は「早期に見つけて治療する」ことが予防の鍵です。

  • 【検査方法】

    • ・大腸内視鏡:最も精度が高く、ポリープをその場で切除可能

    • ・便潜血検査:簡便で有効だが、複数回受けるのが望ましい

  • 【予防のための生活習慣改善】

    • ・肉類を控え、野菜・果物・食物繊維をしっかり摂る

    • ・適度な運動と体重管理

    • ・禁煙と節酒

これらを心がけることで直腸癌の発症リスクを下げることができます。


5. 早期発見のメリットと受診の目安

直腸癌は、早期に発見できれば治療成績が格段に良くなります。ステージ0やI期であれば内視鏡や局所切除だけで根治が期待できます。

次のような症状がある場合は、1〜2週間以上放置せず受診をおすすめします。

  • 血便や下血

  • 便の形が細くなる、便通異常

  • 下腹部痛や不快感

  • 原因不明の体重減少や貧血

若年者でも増加しているため、年齢に関係なく症状があれば早めの受診が安心です。


まとめ

直腸癌は、生活習慣、遺伝、炎症性腸疾患などが複雑に関与して発症します。

大切なのは、こうしたリスクを理解し、定期的な大腸内視鏡検査生活習慣の改善で予防・早期発見に努めることです。

血便や便通異常を感じたら自己判断せず、専門医へご相談ください。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、リスク評価から検査、生活指導まで包括的にサポートしています。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。