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2025.08.30

「ただの腰痛」では済まない!大腸がんが原因となるケースと早期発見のポイント

「また腰がズキッときた…きっと疲れのせいだろう」と思うことはありませんか?

多くの腰痛は筋肉や関節の不調が原因ですが、中には“大腸がん”が隠れている場合もあるのです。特に痛みが強くなったり、長引いたり、夜間に悪化したりする場合には注意が必要です。

本記事では「腰痛=単なる筋肉の疲れ」なのか、それとも「見逃してはいけない病気のサイン」なのかを見極めるポイントや、検査・治療・予防についてわかりやすく解説していきます。

大切なご自身やご家族の健康チェックに、ぜひ役立ててください。


1. なぜ大腸がんが腰痛を引き起こすの?

大腸がんは初期の段階ではほとんど症状がありませんが、進行すると腫瘍が大腸の壁を超えて周囲の臓器や神経に広がり、腰痛を引き起こすことがあります。

特に直腸やS状結腸付近のがんは、骨盤の神経を圧迫しやすく、腰背部に重く深い痛みを感じやすいのです。

また、がんが骨へ転移すると「激しい腰痛」として現れることもあり、市販の鎮痛薬ではほとんど改善しません。

こうした痛みは“ただのぎっくり腰”とは異なり、重大な病気の可能性を示すサインです。


2. 「こんな腰痛なら要注意!」見分けるポイント

大腸がんによる腰痛には、次のような特徴が見られることがあります。

  • ・夜間や早朝に痛みが強くなる:寝ているときに痛みで目が覚める場合は注意。

  • ・体重減少や便の異常を伴う:下痢・便秘・血便などの消化器症状が同時に出る。

  • ・鎮痛剤が効きにくい:市販薬を使っても痛みが軽減しない。

  • ・長引く・悪化する痛み:2週間以上続いたり、次第に悪化する傾向がある。

これらが当てはまる場合、単なる腰痛ではなく大腸がんを含む他の病気の可能性を考える必要があります。


3. 検査や診断はどう進むの?

腰痛を訴えて来院した場合、医師はまず問診や診察で痛みの性質や発症の経緯を詳しく確認します。その上で以下のような検査を行います。

  • ・大腸内視鏡検査:最も確実な検査で、大腸の粘膜を直接観察し、生検で診断可能。

  • ・腹部エコー・CT検査:腫瘍やリンパ節、転移の有無を確認。

  • ・血液検査:腫瘍マーカーや炎症反応を調べる。

こうした検査が“腰痛の原因を正確に見極める手段”となり、結果的に大腸がんの早期発見にもつながります。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、腰痛で来院された方でも潜む病気を見逃さない体制を整えています。


4. 治療法と腰痛との付き合い方

大腸がんと診断された場合、進行度や患者さんの体力に応じて以下の治療が行われます。

  • ①手術療法:がんを切除する最も基本的な治療。腹腔鏡下や開腹手術が選択されます。

  • ②化学療法・放射線療法:転移や再発リスクがある場合に行われます。

  • ➂緩和ケア(疼痛緩和):痛みに対して薬物療法や神経ブロックを行い、生活の質を維持します。

治療の過程では、腰痛そのものの原因を的確に診断し、適切な疼痛コントロールを行うことが大切です。


5. 予防&早期発見のためにできること

腰痛があるとき「大腸がんかも」とすぐに結びつける必要はありませんが、以下の習慣で予防と早期発見が可能です。

  • 定期的な大腸内視鏡検査:ポリープや早期がんの段階で発見できます。

  • 生活習慣の改善:食物繊維を多く含む食事、禁煙、節酒、適度な運動。

  • 不自然な腰痛を軽視しない:夜間痛や体重減少を伴うときは早めに受診を。

  • 便通のチェック:便秘や血便などの異常が続くときは注意が必要です。


まとめ

腰痛の大半は日常的な原因によるものですが、中には大腸がんが隠れているケースもあります。

特に「夜間痛」「血便」「便通異常」「体重減少」などがセットになっている場合は早めの受診が不可欠です。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは「ただの腰痛かも」と来院された方でも、潜在的なリスクを見逃さず、必要な検査と診療につなげています。

腰の違和感を感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。