最近「便が細い」と感じたことはありませんか?
いつもと同じように排便できているのに、「なんだか便が細い気がする…」と感じた経験はありませんか?
一時的な体調不良や食生活の影響で細い便が出ることもありますが、実はその裏に思わぬ病気が隠れているケースもあります。
特に、細い便が何日も続いたり、便秘や下痢、血便といった症状を伴うときは注意が必要です。
この記事では「便が細い原因」について、日常生活での背景から病気の可能性までを詳しく解説します。さらに、改善のための生活習慣や、医療機関を受診すべきサインについてもご紹介します。
1. 便が細くなる主な原因
便が細くなる背景には、大きく分けて「一時的な要因」と「病気による要因」があります。
まず考えられるのが、腸や肛門の通り道が狭くなる「物理的な狭窄」です。痔や肛門の炎症、大腸の病気によって便の出口が細くなり、結果的に細い便しか出せなくなることがあります。排便時の痛みで無意識に力を弱めてしまうことも影響します。
また、便がやわらかすぎて形を保てない場合も細く見えることがあります。水分が多い便は、肛門を十分に広げないまま通過するため、細い状態になりやすいのです。
さらに、加齢や運動不足による筋力低下、ストレスによる自律神経の乱れも便の細さに関与します。特に女性は便秘になりやすいため、細い便が続くケースが少なくありません。
2. 考えられる疾患と注意ポイント
便が細い状態が続く場合、特に注意したいのが大腸ポリープや大腸がんです。
ポリープは腸の内側にできる小さなできもので、放置すると大きくなり腸を狭めてしまいます。
さらに一部はがん化するため、早期の発見・切除が重要です。直腸がんは特に便を細くする典型的な原因の一つです。
また、過敏性腸症候群(IBS)は腸の構造に異常はなくても、ストレスや神経の影響で便秘や下痢、細い便が繰り返される病気です。若い世代にも多く見られます。
他にも、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患、過去の手術による腸の癒着なども便を細くする要因になります。
特に「体重減少」「血便」「腹痛」を伴う場合は重大な病気の可能性があるため、早めの医療機関受診が欠かせません。
3. 生活習慣でできる改善策
便の細さが一時的なものの場合は、生活習慣を整えることで改善できることも多いです。
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食事改善:食物繊維を多く含む野菜・果物・豆類・海藻などをバランスよく摂取。水分を1.5〜2ℓ/日を目安にしっかり補給することも大切です。
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運動習慣:ウォーキングや軽い筋トレで腸の蠕動運動を活発にし、排便リズムを整える。腹筋や骨盤底筋の強化は特に効果的です。
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ストレス管理:睡眠不足や精神的ストレスは腸の働きを鈍らせます。リラックス時間を持ち、生活リズムを整えましょう。
4. 早めに受診すべきタイミング
次のような症状がある場合は、早めの受診が推奨されます。
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・細い便が数週間以上続く
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・便に血が混じる、または便潜血検査が陽性
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・急激な体重減少がある
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・便秘や下痢を繰り返し、残便感がある
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・40歳以上で一度も大腸内視鏡を受けていない
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・家族に大腸がんの既往がある
特に40代以降は大腸疾患のリスクが高まるため、症状がなくても定期的な検査が安心です。
まとめ
便が細くなるのは一時的な体調不良のこともありますが、放置すると重大な疾患が隠れている可能性もあります。
生活習慣を整えても改善しない場合は、早めに専門医へ相談することが大切です。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、経験豊富な消化器専門医が内視鏡検査を含めた診断・治療を行い、安心して受診いただける環境を整えています。
気になる症状がある方は、ぜひご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。