
「最近、便の調子が前と違う気がする」
「お腹が張るけど、そのうち治るだろう」
──そんな小さな違和感を放置していませんか?
大腸癌は日本で増加している代表的ながんの一つです。実は初期の段階でも“前兆”と呼べる症状が現れることがありますが、痔や便秘と勘違いされやすく、受診が遅れてしまうケースも少なくありません。しかも、早期の大腸癌はほとんど痛みがなく、自覚しにくいのが特徴です。
この記事では、大腸癌の初期に現れやすい症状、他の病気との見分け方、受診のタイミング、そして予防につながる生活習慣について詳しく解説します。
1. 大腸癌の前兆としてよくある症状
大腸癌の初期には、次のようなサインが現れることがあります。
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血便・下血
鮮やかな赤い血や黒っぽい便が出る場合は要注意。痔と思い込んで放置すると危険です。 -
便の形や回数の変化
便が細くなったり、ねじれたりする場合、腸がポリープや腫瘍で狭くなっている可能性があります。 -
便秘と下痢の繰り返し
以前は安定していた便通が急に不規則になったら注意が必要です。 -
残便感やお腹の張り
「出し切れていない感じ」「張りが続く」といった症状が長く続くのもサインの一つです。 -
貧血やだるさ
少量の出血が長く続くと貧血に。疲れやすい・息切れ・顔色の悪さなどが現れます。
症状は単独では判断が難しいものの、複数が重なると大腸癌の可能性が高まります。「少しおかしいな」と思ったら早めに専門医に相談することが大切です。
2. よくある誤解と病気との見分け方
大腸癌の症状は、他の病気とも似ているため誤解されやすいものです。
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🔎痔との違い
痔の出血は便の表面に少量の鮮血が付くことが多いですが、大腸癌は便に混じる・黒っぽい血などが特徴です。 -
🔎過敏性腸症候群(IBS)との違い
IBSは出血を伴わず、ストレスや生活習慣で症状に波があるのが特徴です。 -
🔎炎症性腸疾患との違い
潰瘍性大腸炎やクローン病も血便や下痢を伴いますが、慢性的な発熱や腹痛を伴うケースが多いです。
症状が似ているからと安心せず、「どのくらい続いているか」「他の症状があるか」を確認することが重要です。
3. 気になる症状が出たら受けるべき検査
「気になるけど病院に行くのは面倒…」と先延ばしにすると、病気は進行してしまうかもしれません。
最も確実なのは 大腸内視鏡検査 です。腸の中を直接観察でき、必要に応じてポリープの切除や組織の検査(生検)も行えます。
受診の目安は以下の通りです。
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・血便が繰り返し出る
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・便の形や回数が変化している
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・腹部の張りや違和感が続く
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・貧血や体重減少がある
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・家族に大腸癌の既往歴がある
一つでも当てはまる場合は、早めの検査が推奨されます。
4. 大腸癌の予防につながる生活習慣
大腸癌は生活習慣を整えることでリスクを下げられる病気でもあります。
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💡 食物繊維を意識して摂る(野菜・海藻・きのこなど)
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💡 赤肉や加工肉を食べ過ぎない
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💡 適度な運動を続ける(ウォーキングなど週150分以上が目安)
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💡 飲酒を控え、禁煙を意識する
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💡 肥満を防ぐ(BMIの管理も重要)
さらに、50歳以上や家族に大腸癌の既往がある人は定期的な内視鏡検査が強く推奨されます。
5. 大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでの対応
当院では、大腸癌の前兆が疑われる方に以下の対応を行っています。
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・丁寧な問診と症状のヒアリング
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・迅速な大腸内視鏡検査や便潜血検査
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・初期段階からの的確な診断・治療
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・食事や運動を含めた生活習慣のサポート
「もしかして大腸癌かも」と不安になったら、ぜひお気軽にご相談ください。早期発見・早期治療が未来の健康を守ります。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。



















