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2025.10.26

足の親指がズキズキ痛む?それ「痛風発作」かも!原因と治療法をわかりやすく解説

「なんだか足の親指がズキズキ痛い…」「歩くたびに痛くて靴も履けない」

そんな経験はありませんか?もしかすると、それは“痛風発作”のサインかもしれません。

痛風発作は、ある日突然やってくる激しい関節痛として知られています。その痛みは「シーツが触れただけでも飛び上がるほど」と表現されるほど強烈で、我慢してしまうと数日から1週間以上続くこともあります。

この発作の背景には「高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)」という状態があります。血液中の尿酸が増えすぎて関節内で結晶化し、免疫反応によって炎症が起こるのです。発作を繰り返すと、関節の変形や腎臓へのダメージにもつながるため、早期の対策がとても大切です。

この記事では、痛風発作の症状・原因・治療法・予防法、そして日常でできるケアまで、わかりやすく整理して解説します。


1. 痛風発作って何? – 原因と発症のメカニズム

痛風発作とは、血液中の尿酸値が高くなり(高尿酸血症)、尿酸が関節内で結晶として沈着し、それを体の免疫が“異物”とみなして炎症を起こす状態を指します。

痛みが起こる代表的な部位は足の親指の付け根(母趾MTP関節)ですが、足首、膝、手首、肘などに起きることもあります。

主な原因
  • プリン体の摂りすぎ:肉・魚卵・内臓・干物・ビールなどの摂取が多い

  • 尿酸の排出低下:腎機能低下、薬の影響、遺伝的要因など

  • 生活習慣の乱れ:過度な飲酒、脱水、無理なダイエット、ストレス、急激な体重変化など

尿酸値が高くても無症状の期間が長いことも多く、「高尿酸血症=すぐ痛風」とは限りません。

しかし放置すると、痛風発作のリスクが高まるほか、「痛風結節」や「腎障害」などの合併症を引き起こすこともあります。


2. 痛風発作の典型的な症状と前兆サイン

痛風発作の特徴は「突然の激しい痛み」です。

夜中や明け方に発作が起こることが多く、次のような症状がみられます。

  • 激しい関節痛:軽く触れるだけでも激痛。動かすのが困難になることも。

  • 関節の腫れ・赤み・熱感:炎症のため関節が腫れ、熱をもつ。皮膚が赤く光ることも。

  • 発作部位:足の親指の付け根が最も多いが、足首・膝・手首なども起こる。

  • 前兆サイン:発作の数時間〜1日前に「ムズムズ感」「違和感」「しびれ」を感じることも。

適切な治療を受ければ、通常1〜2週間で痛みは落ち着きますが、放っておくと関節破壊や腎機能障害のリスクが高まります。

初めて発作が出た場合でも、早めに医療機関を受診しましょう。


3. 発作が起きたらどうする?治療法と対応の流れ

痛風発作が起きたら、まずは炎症を抑えることが最優先です。

対応のポイント
  • 安静と冷却:痛む部位を動かさず、靴や靴下で圧迫しないように。冷たいタオルや氷嚢で冷やすと炎症が和らぎます。

  • 薬物治療

    • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):痛みと腫れを和らげる標準的治療。

    • コルヒチン:発作の初期に使用すると効果的。

    • ステロイド:上記が使えない場合や炎症が強いときに使用。

発作が落ち着いた後は、**尿酸値を下げる治療(アロプリノール・フェブキソスタットなど)**で再発を防ぎます。

また、発作時の治療だけで終わらせず、「生活習慣の改善」も長期的には欠かせません。


4. 再発を防ぐための生活習慣と予防戦略

風発作は再発しやすい病気です。しかし、日常の工夫で予防することができます。

  • 体重管理:肥満は尿酸値上昇の大きな要因。減量は効果的な対策。

  • 食事の工夫:プリン体の多い食品を控え、野菜・乳製品・豆類をバランスよく。

  • 水分摂取:1日2Lを目安にこまめに水を飲み、尿酸の排泄を促進。

  • アルコール制限:特にビールは要注意。できるだけ控えるのが望ましい。

  • ストレスケアと睡眠:過労・ストレス・寝不足も発作の誘因になります。


5. 日常でできるケアと治療後のフォローアップ

発作が治まった後も、再発予防と関節保護のためのケアが大切です。

  • 関節リハビリ:無理のない範囲でストレッチや軽い運動を行う。

  • 靴選び:ゆとりのある靴で親指の付け根への圧迫を避ける。

  • 定期的な尿酸値チェック:目標は6.0mg/dL以下。定期的に採血で確認。

  • 薬の継続服用:症状が落ち着いても自己判断で中止しない。

  • 合併症対策:腎障害・痛風結節・尿路結石の予防も並行して行う。


🔍まとめ

痛風発作は、「突然の激痛」で始まる代表的な生活習慣病のひとつです。

しかし、原因を理解し、正しい治療と生活改善を続ければ、再発を防ぐことができます。

発作時にはNSAIDs・コルヒチンなどで炎症を抑え、その後は尿酸値をコントロールする薬と生活習慣の見直しが重要です。

足の親指の痛みを感じたら我慢せず、早めに専門医へ相談しましょう。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、痛風発作の治療から尿酸管理・生活習慣改善までトータルにサポートしています。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。