
「なんだかおしりが痛い」「トイレットペーパーに血がついている気がする…」そんなとき、「まあ大丈夫だろう」と様子を見てしまう方は少なくありません。
しかし、おしりの不調は放っておくほど悪化することがあり、早めに相談することであっさり解決できるケースも多いのです。
おしりのトラブルは恥ずかしさから受診をためらう方が多いですが、症状を我慢しているうちに治りにくくなったり、思わぬ病気が隠れていたりすることもあります。
今回は「肛門科の診察は本当に必要?」という疑問にお答えしながら、受診すべきサインや診察の流れ、早めに相談するメリットをわかりやすく解説します。
1. なぜ「おしりの診察」が必要?肛門科が診る範囲とは
肛門科(大腸肛門科)は、その名のとおり「おしりと直腸の専門家」です。
肛門まわりの痛み・出血・かゆみ・違和感・腫れ・便通異常など、日常生活で起こる“おしりの不調”を幅広く診療します。
たとえば、出血やかゆみを「たぶん痔だから大丈夫」と自己判断してしまうと、実は「肛門裂傷」「痔瘻」「直腸ポリープ」「大腸がん」など、より重い病気が潜んでいることもあります。
軽い症状でも専門医の診察を受けることで、原因を早期に特定し、シンプルな治療で済む可能性が高まります。
2. 「この症状があれば受診を考えよう」― 自分でできるチェックポイント
次のような症状があるときは、肛門科での診察を検討しましょう。
🔍チェックリスト
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☑ トイレットペーパーや便に鮮やかな赤い血がつく
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☑ おしりのまわりがかゆい、ヒリヒリ・ジンジンする
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☑ 便が硬い・出にくい、排便時に強くいきむ
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☑ 肛門に「しこり」や「ふくらみ」を感じる、何かが出てくる感じがある
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☑ 排便後に違和感・残便感が残る
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☑ 便通が急に変わった(便秘や下痢が続く)
特に出血・しこり・便通の異常がある場合は、早めの受診が大切です。
また、40歳以上や家族に大腸がんの既往がある方は、軽い出血でも受診を検討すべきです。
恥ずかしさを感じる方も多いですが、診察自体は短時間で終わることがほとんど。
「もっと早く行けばよかった」と感じる患者さんが多いのも特徴です。
3. 診察・検査の流れ ― 実はハードルは低い
肛門科の診察は、思っているよりも簡単でスムーズです。
①問診
まずWEBまたは来院時に問診票を記入します。症状(出血・痛み・便通の状態・違和感など)、生活習慣、既往歴などを伺います。
医師が詳しく話を聞き、必要に応じて確認します。
②視診・触診
横向きの体勢で肛門を観察します。外側の腫れ・皮膚の炎症・しこりの有無を確認し、必要に応じて「直腸指診」や「直腸鏡検査」を行います。
多くの方が心配するほど痛みはなく、数分で終了します。
③説明・治療方針の提案
診察の結果をもとに、生活改善・塗り薬・内服薬・処置など最適な治療を提案します。
軽度の痔なら生活習慣の見直しだけで改善することもあります。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、プライバシーに配慮し、リラックスして受診できる環境を整えています。
4. 受診で得られる安心と、放置によるリスク
早めに受診するメリット
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🔍 原因が明確になり、「痔だから大丈夫」と安心できる
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🔍 再発予防につながる生活・排便習慣の改善指導を受けられる
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🔍 症状が軽いうちに治療でき、回復が早い
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🔍 隠れた重大疾患(腫瘍・炎症など)を早期に発見できる
放置してしまうリスク
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⚠ 症状が悪化し、出血・痛み・しこりが強くなる
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⚠ 貧血や炎症を引き起こす可能性
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⚠ 自己判断で放置していたら、実はポリープやがんだったというケースも
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⚠ 痛みや不安で、仕事・日常生活に支障が出ることも
5. まとめ ― おしりの悩みは「恥ずかしい」より「早く解決」
おしりの違和感や出血は、「恥ずかしいから」と我慢してしまいがちですが、早めの診察で解決するケースがほとんどです。
原因を明確にすることで、必要以上に不安を抱えずにすみます。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、肛門科専門医が丁寧に症状を伺い、痛みや不安に配慮した診察を行っています。
デリケートなお悩みも安心してご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。
【参考文献】
- 1.Colorectal Cancer Risk in Patients with Hemorrhoids: A 10-Year Population-Based Retrospective Cohort Study/Chen YL 他/Journal of Gastroenterology and Hepatology
- 2.Risk Factors for Hemorrhoids on Screening Colonoscopy/Peery AF 他/PLoS One
- 3.Hemorrhoids: Diagnosis and Treatment Options/Johanson J 他/American Family Physician
- 4.Office Evaluation of Rectal Bleeding/Kodner IJ 他/Journal of the American College of Surgeons


















