
「胃カメラ=苦しい」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
実は、胃カメラには**口から挿入する「経口」と鼻から挿入する「経鼻」**の2種類があり、選び方によって検査の負担が大きく変わります。
どちらが「楽」なのか、どんな人にどちらが向いているのかを知っておくことで、検査への不安を軽くし、安心して臨むことができます。
この記事では、大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックが実際の患者さんの声や医学的なデータをもとに、経口・経鼻それぞれの特徴、メリット・デメリット、検査前後の注意点までわかりやすく解説します。
1. 経口胃カメラの特徴と「楽」に受けるためのコツ💪
「経口胃カメラ」は、もっとも一般的に行われてきた検査方法です。
口→喉→食道の順にカメラを進めるため、視野が広く、病変の発見や処置がしやすいという大きな利点があります。
【メリット】
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🎯 内視鏡の太さや角度の種類が豊富で、ポリープ切除などの処置もそのまま対応可能。
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🎯 鼻の通りが悪い方や鼻炎がある方でも問題なく実施できる。
【デメリット】
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💧 最大の難点は**嘔吐反射(オエッとなる反応)**が起きやすい点です。
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💧 鎮静剤を使わない場合は喉の異物感を強く感じやすく、検査中に力が入ってしまうことも。
【「楽」に受けるための工夫】
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💡 検査前に麻酔スプレーやジェルで喉の感覚を鈍らせておく。
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💡 検査中は「唾液を飲み込まない」「リラックスして横になる」など医師の指示に従う。
💡 喉の反射が強い方は辛く感じやすいため、次に紹介する経鼻ルートも検討してみると良いでしょう。
2. 経鼻胃カメラの特徴と「楽」に感じる理由🎵
「経鼻胃カメラ」は、鼻から細いスコープを通して検査を行う方法で、ここ10年ほどで急速に普及しています。
最大の魅力は、「喉を通らないためオエッとなりにくい」ことです。
【メリット】
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🎯 嘔吐反射が起きにくく、検査中に会話できるほど楽と感じる方も多い。
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🎯 鼻呼吸ができるため、息苦しさが少なく体への負担が軽い。
【デメリット】
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💧 鼻腔が狭い方や鼻炎持ちの方では、挿入が難しかったり出血することがあります。
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💧 「鼻から入れること自体に抵抗がある」という心理的なハードルも。
【「楽」に受けるためのポイント】
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💡 検査前に鼻の局所麻酔(ジェルやスプレー)を十分に行う。
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💡 挿入時は鼻呼吸を意識してリラックスする。緊張すると痛みや違和感が強くなります。
鼻の状態に問題がなければ、経鼻胃カメラは「できるだけ楽に検査したい方」に非常におすすめです。
また、鎮静剤を併用することでさらに快適に受けることが可能です。
3. 実際どちらが楽?検査選びのポイント
「経口と経鼻、結局どっちが楽なの?」という質問には、多くの方は経鼻の方が楽と感じる傾向があります。
ただし、個人差が大きく、体質や鼻・喉の状態によって最適な方法は変わります。
【選び方の目安】
| 状況 | 向いている検査方法 |
|---|---|
| 嘔吐反射が強い・喉が敏感 | 経鼻がおすすめ |
| 鼻が詰まりやすい・鼻が苦手 | 経口がおすすめ |
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、患者さんの既往歴や過去の検査経験を丁寧にヒアリングし、最も楽に受けられる方法を一緒に決めています。
4. 検査前後に知っておきたい注意点とケア
検査を「楽」に受けるためには、準備とアフターケアも大切です。
【検査前のポイント】
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・前日は消化の良い軽めの食事にし、過度な飲酒や刺激物は控える。
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・当日は絶食(6〜8時間前から)。服薬中の方は必ず医師に相談を。
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・経鼻希望の場合、鼻づまりがある方は事前に鼻を清潔にしておくとスムーズです。
【検査後のケア】
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・麻酔が残っている間(30〜60分程度)は飲食を控える。
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・経鼻では軽い鼻血が出ることがありますが、ほとんどはすぐに止まります。
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・当日の激しい運動・飲酒・入浴は避けましょう。
5. まとめ 〜安心して検査を受けるために〜
胃カメラは、方法を選ぶだけで「苦しさ」を大きく減らすことができます。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、患者さん一人ひとりの体質や希望に合わせて経鼻・経口のどちらが最適かを丁寧にご提案しています。
初めての方でも安心して検査を受けられるよう、スタッフ全員でサポートいたします。
不安や疑問があれば、いつでもご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。
【参考文献】
- 1.Takahashi K, Murakami Y et al. Nasal breathing is superior to oral breathing when performing and undergoing transnasal endoscopy. Endoscopy. 2023.
- 2.Sami S, Moriaty JP et al. Unsedated transnasal endoscopy for the detection of Barrett’s oesophagus: systematic review and meta-analysis. Dis Esophagus. 2022.
- 3.Wang CP, Ko JY et al. A prospective randomized study comparing transnasal and peroral 5-mm ultrathin endoscopy. J Formos Med Assoc. 2016.
- 4.Sivak MV Jr. et al. A randomized trial of peroral versus transnasal unsedated endoscopy using an ultrathin videoendoscope. Gastrointest Endosc. 1999.
- 5.Lehmann GA. Prospective comparison of nasal versus oral insertion of a thin video endoscope in healthy volunteers. Endoscopy. 1996.



















