ブログ

2025.11.20

どっちが自分向き?痔の手術を日帰りにするか入院にするかの判断ポイント

「痔の手術をすすめられたけれど、病院によって“日帰りで帰れる”と言われることもあれば、“入院が必要”と言われることもあって、何が違うの?」

多くの患者さんが最初に感じる疑問です。

実は、痔の種類・重症度・手術内容・患者さんの体の状態によって、その日のうちに帰宅できるケースもあれば、数日〜数週間の入院が必要なケースもあります。

「自分はどちらを選ぶべき?」「日帰りの方が楽?」「入院の方が安全?」など、判断に迷うのは当然です。

この記事では、痔手術における “日帰り手術” と “入院手術” の違いを徹底的にわかりやすく整理しました。

それぞれのメリット・デメリット、選択の基準、手術前後の準備ポイントまで総まとめ。

手術を控えている方が安心して選択できるよう、医療現場の視点から丁寧に解説します。

まずは大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックで手術を検討される前に、この内容をご一読ください。


1. 日帰り痔手術とは?メリット・条件・流れ

■ 日帰り手術とは

「日帰り手術」とは、手術を行ったその日のうちに自宅へ帰ることができるタイプの痔手術のことです。

主に 軽度〜中等度の痔核・裂肛・外痔核 など、手術侵襲が比較的少なく、術後の痛みや出血リスクが大きくない症例で行われます。

メリット
  • ☑ その日のうちに帰宅できるため、生活の負担が少ない

  • ☑ 病院滞在時間が短く、精神的な緊張やストレスが少ない

  • ☑ 入院費がかからず、費用を抑えやすい

  • ☑ 普段の生活リズムを崩さず、早く日常に復帰しやすい

 日帰り手術が適している方の条件

◎ 重い持病がなく、合併症リスクが低い

  • ◎ 術後の痛み・出血が少ないと予想される

  • ◎ 自宅で安静をとれる環境がある(家族のサポートなど)

  • ◎ 手術施設・医師が日帰り手術に十分な経験を持つ

 日帰り手術の流れ(例)
  1. ① 来院・術前チェック

  2. ② 局所麻酔または軽い全身麻酔で手術

  3. ➂ 数時間回復室で休憩

  4. ④ 出血・痛み・バイタルが安定すれば帰宅

  5. ⑤ 帰宅後は指示された鎮痛薬・食事・排便ケアを開始

  6. ⑥ 数日以内にフォローアップ受診

日帰り手術は“負担が少ない反面、術後ケアを自分で行う力が必要”という特徴があります。


2. 入院痔手術とは?どういう場合に必要?

入院手術は 1泊以上の入院 を伴う手術で、より慎重な経過観察が必要な場合に選択されます。

■ 入院が必要になる主なケース

  • ⚠ 出血リスクが高い、または広範囲の切除が必要

  • ⚠ 血液疾患・心疾患・腎疾患・抗凝固薬など、合併症リスクがある

  • ⚠ 術後の排便管理・痛み・尿閉(排尿ができない)などが起こりやすい

  • ⚠ 手術の規模が大きい

  • ⚠ 安全のため医師が入院管理を推奨する場合

 入院手術のメリット
  • 🎯 医療スタッフによる術後管理が手厚い

  • 🎯 出血・尿閉・感染などの合併症に即対応できる

  • 🎯 安静が確保され、治癒がスムーズ

  • 🎯 トラブルを早期に発見しやすい

 デメリット
  • 💧 入院費用がかかる

  • 💧 仕事・家庭・日常生活への影響が大きい

  • 💧 環境の変化によるストレス

  • 💧 動けるようになるまで時間が必要な場合も

“安全性が高い反面、日常生活への負担が大きくなることもある”という点が特徴です。


3. 日帰り vs 入院:どちらを選ぶべき?判断基準

どちらが適しているかは、下記の総合判断で決まります。

【痔の種類・重症度・手術内容】

  • ☑ 軽度〜中等度 → 日帰りの適応になることが多い

  • ☑ 重度・脱出が強い・出血が多い → 入院手術が推奨

【全身状態・合併症の有無】

  • ☑ 高齢・心疾患・人工弁・抗凝固薬など → 入院の方が安全

【自宅でのケア環境】

  • ☑ 家族のサポート、安静にできる環境 → 日帰りも可能

  • ☑ 一人暮らし・介助が難しい → 入院が安心

【術後の痛み・出血リスク】

  • ☑ 術後早期に安定すると見込まれる → 日帰り

  • ☑ 排便・痛み・出血が心配 → 入院

【施設・医師の経験】

  • ☑ 日帰り痔手術を多く扱っている

  • ☑ 術後フォロー体制が整っているか

初診では症状・生活習慣・既往歴を丁寧に確認し、最適な方法を一緒に決めていきます。


4. 手術前後に知っておきたい準備・ケア・生活のポイント

💡 手術前にやっておくこと 💡

  • ・食物繊維と水分を意識して便通を整える

  • ・自宅トイレの環境(温水便座など)を確認

  • ・内服薬(抗凝固・NSAIDs)の調整を医師と相談

  • ・手術説明をしっかり聞き、不安点を解消しておく

💡 術後のケア 💡

  • ・無理に我慢せず、便意が来たら早めに排便

  • ・便は柔らかく保つ(食事+水分+適度な運動)

  • ・いきみ過ぎに注意

  • ・トイレ滞在は短く(肛門血流の負担を減らす)

💡 日帰りの場合 💡

  • ・帰宅後の安静環境を整えておく

  • ・家族のフォローや相談できる体制を準備

💡 入院の場合 💡

  • ・スタッフが排便・痛み・出血をモニタリング

  • ・退院後の自宅ケアを確認し、無理のない生活に戻る計画を立てる


5. まとめ

痔の手術は 「日帰り手術」「入院手術」 のどちらにもメリットとデメリットがあります。

大切なのは、「自分の症状・全身状態・生活環境・施設の体制」これらを総合的に踏まえて、最適な方法を選ぶことです。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニッククでは、日帰りの痔手術にも対応しており、患者様一人ひとりに合った治療方法をご提案しています。

不安や疑問があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。

【参考文献】

  1. 1.Hetzer F., et al., Stapled vs Excision Hemorrhoidectomy: Long-term Results of a Prospective Randomized Trial. JAMA Surgery
  2. 2.Nwabueze SA., et al., Comparison of the patients’ satisfaction after inpatient and outpatient operations for haemorrhoidal disease. Niger J Med
  3. 3.Gupta A., et al., Ambulatory anorectal surgery under local anesthesia: safety, efficacy, and patient outcomes. IJMRP (International Journal of Medical Research & Practice)