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2025.11.23

赤い便・黒い便は何のサイン?血便と大腸癌リスクを総まとめ

トイレで便を流したとき、「あれ、血が混ざっている?」と感じた経験はありませんか。多くの方は「きっと痔だろう」と思い込んで様子を見てしまいがちですが、実は“便に血が混じる”という症状の背景には、痔だけでなく大腸癌をはじめとした重大な疾患が隠れていることがあります。

特に、大腸癌は初期症状が乏しいことが多く、出血を見逃すと診断が遅れてしまうケースも少なくありません。今回は、血便の種類から考えられる原因、注意すべきサイン、受診のタイミング、日頃の予防まで、安心のために知っておきたい重要ポイントをわかりやすく解説します。


1. 便に血が混じるとは?出血の種類と原因

便に血が混じる症状は、実は多くの人が一度は経験する身近なものです。ところが、出血の出方によって疑われる病気は大きく異なるため、“どんな血か”を知っておくことが重要です。

出血の見え方と疑われる部位

① 鮮やかな赤い血が便の表面やトイレットペーパーにつく場合

→ 肛門から近い場所での出血(痔核・裂肛・直腸癌など)。

② 便の中に赤黒い血が混ざる/便が暗赤色・黒っぽいタール状の場合

→ 便が通過する途中で出血(大腸の腫瘍・炎症・ポリープ・憩室出血など)。

③ 血は見えないけれど貧血・倦怠感がある場合

→ “隠れ出血(微量出血)”が起きている可能性があり、便潜血検査で見つかることも。

原因はさまざま

血便の原因は、大腸癌だけではありません。

軽症~重症まで幅広く、「痔核・裂肛・肛門周囲炎」「大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病」「憩室出血、ポリープ、腫瘍」「上部消化管出血による黒色便」など多岐にわたります。

大切なのは、「痔かもしれない」で終わらせないこと

血の色・量・頻度・便通の変化などを丁寧に見ることが、自分の健康を守る第一歩です。


2. 出血=大腸癌?リスクが高くなる条件と併発症状

血便が必ず大腸癌を意味するわけではありません。しかし、出血が大腸癌の重要なサインであることも事実です。

なぜ出血と大腸癌が関係するのか

大腸癌は初期症状がほとんどなく、進行してから、

  • ・血便

  • ・下痢や便秘の繰り返し

  • ・体重減少

  • ・貧血

  • ・お腹の張り・痛み

などが現れることが多い病気です。

とくに“便に血が混ざる”タイプの出血は、注意度が高いサインです。

リスクが上がる条件

以下に当てはまる人は、出血があった場合より慎重な判断が必要です。

  • ☑ 50歳以上

  • ☑ 家族に大腸癌や大腸ポリープがある

  • ☑ ポリープ切除歴がある

  • ☑ 潰瘍性大腸炎・クローン病がある

  • ☑ 遺伝性大腸癌の家系

  • ☑ 赤肉中心の食事・運動不足・喫煙・多量飲酒

併発しやすい症状

血便と同時に次のような症状がある場合は、早急な対応が必要です。

  • 便が細くなった、残便感

  • 便秘と下痢を繰り返す

  • 急な体重減少

  • 貧血・疲れやすい

  • 腹部違和感・痛み

  • 粘液や膿が便に混じる

“血便+他の症状”は大腸内視鏡検査の強い適応です。


3. 出血があったときの受診タイミングと検査の流れ

「いつ受診すべきか?」と迷う方も多いですが、次のような場合は早めの受診をおすすめします。

受診を急ぐべきサイン
  • 出血が 何度も続く

  • 血が 便の中に混ざっている

  • 痔があっても症状が合わない

  • 便通が最近変わった

  • 体重減少・貧血・倦怠感

  • 家族歴や炎症性腸疾患がある

検査の進め方
  1. ① 問診(排便習慣・生活習慣・家族歴など)

  2. ② 身体診察(腹部・直腸診)

  3. ③ 必要に応じて血液検査・直腸鏡検査

  4.  大腸内視鏡検査(最も確実な検査)

  5. ⑤ ポリープの切除・生検

  6. ⑥ 追加精査(CT・腫瘍マーカーなど)

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、できるだけ負担を少なく、丁寧に検査の流れをご案内しています。


4. 日常生活でできる予防と注意点

血便や大腸癌を防ぐには、日々の生活習慣がとても重要です。

食事
  • ・食物繊維(野菜・果物・穀物)をしっかりと

  • ・赤肉・加工肉の摂りすぎに注意

  • ・アルコールと喫煙は控えめに

  • ・規則的な食事・十分な水分

運動
  • ・ウォーキング・ジョギング・軽い筋トレなど

  • ・腸の動きが良くなり、便秘の改善にも有効

検診
  • ・年に1回の便潜血検査

  • ・リスクがある人は大腸内視鏡検査を定期的に

出血を見たら“様子見しない”

・“血便=すぐ癌”ではないものの、放置は禁物です。


まとめ

便に血が混じる原因の多くは痔や裂肛ですが、同じ症状でも大腸癌が背景にあるケースもあります。血の色・量・頻度、便通の変化、家族歴などをしっかり確認し、少しでも不安があれば大腸内視鏡検査を受けることが最も確実な安心につながります。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、血便を含む消化器症状について、相談から検査、治療まで一貫してサポートしています。気になる症状がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。

【参考文献】

  1. 1.Jellema P., et al., Predicting colorectal cancer risk in patients with rectal bleeding. British Journal of General Practice.
  2. 2.Benshams K., et al., Colorectal cancer pre-diagnostic symptoms are associated with anatomic cancer site. BMC Gastroenterology.
  3. 3.Atkin W., et al., Colorectal Cancer — WHO Fact Sheet. World Health Organization.