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2025.11.29

IBSとの違いは?便秘と下痢を繰り返す時に受けるべき検査と注意点

「便秘と下痢を交互に繰り返す」「お腹の調子が落ち着かない日が続く」

そんな経験はありませんか?

一時的な食生活の乱れやストレスが原因のこともありますが、場合によっては大腸癌の初期サインとして現れることがあります。

大腸癌は初期のうち、強い腹痛や出血といった症状が出にくく、便通の変化だけが唯一のヒントになるケースも少なくありません。特に「便秘と下痢を繰り返す」「便が細くなった」「血が混じる」などの症状は、腸の通過障害が隠れている可能性もあるため要注意です。

この記事では、「なぜ便秘と下痢を繰り返すのか」「どのような症状が大腸癌に特徴的なのか」「検査を受けるべきタイミング」「日常で気をつけたいチェックポイント」について、医師の視点でわかりやすく解説します。


1. 便秘と下痢を繰り返すのはなぜ?そのメカニズム

便秘と下痢を繰り返す原因は大きく分けて 機能性の異常構造的(器質的)異常 の2つがあります。

 機能性(過敏性腸症候群など)

ストレスや自律神経の乱れが原因となり腸の運動が不安定に。

代表例は 過敏性腸症候群(IBS) で、腸自体に明らかな病変はないのに便秘と下痢を繰り返します。

 器質的な異常(大腸癌・ポリープ・炎症)

大腸癌など腸の内側に“狭窄(せまくなる部分)”ができると、便が通りにくくなります。

  • 便が通れず溜まる → 便秘

  • 腸が一気に動き出して排出 → 下痢

このサイクルを繰り返すことで、「便秘と下痢が交互に起こる」状態になるのです。

症状が慢性的に続く場合は、大腸癌やポリープの可能性を必ず考える必要があります。


2. 大腸癌による便通異常の特徴とは?

大腸癌の症状は、腫瘍ができる場所によって大きく変わります。

 右側(盲腸・上行結腸)
  • ・水っぽい便が通るため詰まりにくい

  • ・便通異常が出にくい

  • ・「貧血」「体重減少」で気づくことが多い

 左側(下行結腸・S状結腸)

便が固まりやすい場所のため症状が出やすく、

  • ・細い便(鉛筆状)

  • ・便秘と下痢の繰り返し

  • ・血便

がよく見られます。

 直腸にできた場合
  • ・排便後の残便感

  • ・トイレットペーパーの血

  • ・便がすっきり出ない

これらの症状は痔や過敏性腸症候群とも似ているため、自己判断で放置されやすいのが問題点です。

しかし、大腸癌は早期発見すれば90%以上が根治できます。

便通の変化が1か月以上続く場合や、血便がある場合は必ず医療機関を受診しましょう。


3. 検査の重要性と受けるべきタイミング

便通異常が続くときに最も信頼できる検査は、大腸内視鏡検査です。

● 大腸内視鏡でわかること

  • 🔍 大腸癌・ポリープの有無

  • 🔍 炎症(大腸炎など)

  • 🔍 狭窄や粘膜の異常

  • 🔍 出血している部位

内視鏡検査の最大のメリットは、その場でポリープを切除できること。

早期発見・早期治療を同時に行える唯一の検査です。

なお、バリウム検査・便潜血検査では早期のがんを見逃すことがあり、便潜血陰性でも大腸癌が見つかるケースは珍しくありません。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、**鎮静剤を使用した“苦痛の少ない内視鏡検査”**を行っており、リラックスした状態で検査を受けていただけます。


4. 便通の変化を見逃さないためのポイント

日常生活の中で、以下の点をチェックしておくと早期発見につながります。

💡 観察したいポイント 💡

  • ☑ 便の形(細い・コロコロ・泥状)

  • ☑ 色(黒い便、血が混じる)

  • ☑ 排便回数

  • ☑ お腹の張りや痛みの有無

  • ☑ 残便感の有無

また、便通を整えるためには以下も大切です。

  • ☑ 水分をしっかり摂る

  • ☑ 食物繊維を増やす

  • ☑ 規則正しい食事

  • ☑ ストレスの改善

これらを行っても症状が続く場合、体の中で器質的な異常が進行している可能性があります。


5. まとめ

便秘と下痢を繰り返す症状は、軽い腸の不調として見過ごされがちですが、大腸癌の初期症状であることも珍しくありません。

特に「40歳以上」「1か月以上続く便通異常」「血便が出る」という方は、早めの検査が大切です。

大田大森胃腸肛門内視鏡クリニッククでは、最新の内視鏡システムを導入し、安全・快適・高精度の大腸検査を行っています。

「便秘と下痢が続いている」「腸の不調が不安」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。

監修医師 大柄 貴寛

国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。

【参考文献】

  1. Siegel RL et al. “Colorectal cancer statistics, 2023.” CA: A Cancer Journal for Clinicians, 2023.
  2. Dekker E et al. “Colorectal cancer.” The Lancet, 2019.
  3. Brenner H et al. “Colorectal cancer.” Nature Reviews Disease Primers, 2017.
  4. Gupta S et al. “Appropriate use of colonoscopy for colorectal cancer screening and surveillance.” Gastroenterology, 2020.
  5. Rex DK et al. “Quality indicators for colonoscopy.” Gastrointestinal Endoscopy, 2015.