「最近、股のあたりにぽこっとした出っ張りがある…」「押すと戻るから大丈夫かな？」
そんな違和感があっても、痛みが強くないために放置してしまう方が多いのが鼠径ヘルニアです。
しかし、鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、放置すると症状が進行したり、命に関わる合併症を招くこともあります。
この記事では、鼠径ヘルニアをそのままにしておくと何が起こるのか、どんなサインに注意すべきか、そして早期受診の重要性についてわかりやすく解説します。
※鼠経ヘルニアについてのご相談・治療につきましては当院分院にあたる東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠経ヘルニア日帰り手術RENACLINICにて行っております。
1. 鼠径ヘルニアを放置するとどうなる？基本的なリスクとは
鼠径ヘルニアとは、腸管や脂肪などの腹腔内の内容物が鼠径部から外側に飛び出してしまう状態です。初期は痛みが目立たず、立ったときや力んだ時に“ぽこっと出るだけ”ということも少なくありません。
しかし、放置することで次のようなリスクが高まります。
⚠ 出っ張りが徐々に大きくなる
違和感から「重い」「ひきつれる」といった感覚に変わり、日常生活で支障が出ることがあります。
⚠ 急な悪化のリスク
突出した腸が戻らなくなると、腸閉塞や壊死を起こす**嵌頓（かんとん）**に進行する危険性があります。
⚠ 手術時の負担増加
大きくなり過ぎたり癒着が強くなると、手術時間・術後回復・入院期間が長くなる傾向があり、患者さんの負担が増えます。
軽い症状でも「放置しても安全」とは言えない理由はここにあります。
2. 放置によって進行するケースと症状の変化
鼠径ヘルニアは、時間の経過とともに以下のように進行していくことがあります。
● 出っ張りの増大・戻りにくさ
初期は押すと簡単に戻る“柔らかいヘルニア”ですが、進行すると戻りづらくなり、最終的には戻らない嵌頓に移行するケースも増えます。
● 痛み・不快感の増加
・咳をした時
・立ち上がる時
・荷物を持ち上げる時
など、腹圧がかかる動作で痛みや引きつれが起こり、生活への影響が大きくなります。
● “危険なサイン”が出始める
・腫れがずっと引かない
・色が紫や黒っぽく変わる
・触ると強い痛みがある
これらは腸の血流が障害されているサインで、放置すると緊急手術が必要となる可能性があります。
特に高齢者や基礎疾患のある方では、進行が早いケースもあります。
3. 緊急手術や合併症の可能性—放置による重大なリスクとは
鼠径ヘルニアを放置して最も怖いのが**嵌頓・絞扼（こうやく）**です。
① 嵌頓・絞扼
突出した腸がギュッと締め付けられ戻らなくなる状態で、
腸閉塞 → 壊死 → 穿孔 → 腹膜炎
と重篤な合併症に進行することがあります。
緊急手術になると、
・腸の一部を切除
・開腹手術になる
・術後合併症のリスク増加
など、通常の手術より負担が大きくなります。
② 手術の難易度・回復期間の増加
長期間の放置でヘルニアが大きくなると、
・手術時間が延びる
・術後の痛みが強くなる
・回復が遅れる
といったデメリットも生じます。
③ 生活の質（QOL）への影響
違和感・痛みで動くのが億劫になり、
・運動不足
・腰痛
・むくみ・血栓のリスク
などの二次的な問題が起こる場合もあります。
当院分院にあたる東京新宿レナクリニックでは、これらのリスクを丁寧に説明し、患者さんに最適な治療時期・方法をご提案しています。
4. いつ相談すべき？早期対応のメリットと当クリニックでできること
次のような症状がある方は、早めの相談をおすすめします。
相談の目安となるサイン
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☑ 立つ・歩くと股のあたりが膨らむ
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☑ 最近、押しても戻しにくくなってきた
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☑ 咳・くしゃみ・荷物を持つと痛みや引きつれがある
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☑ 出っ張りが大きくなった、左右差が出てきた
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☑ 色が変わる、張りが続くなど不安な症状がある
東京新宿レナクリニックでの診療内容
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① 視触診＋必要に応じて超音波検査で状態を正確に評価
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② ヘルニアの大きさ・戻りやすさ・症状を総合的に診断
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③ 手術が必要な場合は安全な治療方法をご説明
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④ 仕事・生活に合わせた治療タイミングの調整
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⑤ 「今は様子を見る」場合も、注意点を明確にお伝えしフォロー
“軽いから放置”ではなく、気になる症状があれば早めにご相談いただくことで、緊急手術などのリスクを大幅に減らすことができます。
5. まとめ
鼠径ヘルニアは痛みが軽くても進行します。
放置すると手術が複雑になったり、腸閉塞・壊死などの緊急事態に発展することもあります。
気になる出っ張りや違和感がある方は、ぜひ早めに受診し、症状の軽いうちに適切な治療を受けることをおすすめします。
東京新宿レナクリニックでは、鼠径ヘルニアの診断から治療まで丁寧にサポートいたします。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。
【参考文献】
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