
「最近、胸がムカムカすることが増えた…」「市販薬でごまかしているけど、なんとなく不安」。
胸やけは多くの方が経験する身近な症状ですが、「よくあること」と放置してしまうと、胃や食道の粘膜に慢性的なダメージを与え、将来的に胃がんなどの病気につながる可能性もあります。
胸やけが続くと何が起きるのか?どう判断すべきなのか?
今回は、胸やけを正しく理解し、必要なケアや受診のタイミングがわかる内容をわかりやすく解説します。
1. 胸やけが「続く」ってどのくらい?症状の仕組み
胸やけは、胃の内容物が食道へ逆流することで起こります。胃は強い酸に耐えられる構造ですが、食道は酸に弱いため、逆流が繰り返されると粘膜が炎症を起こします。
胸やけが続くと判断すべき目安
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☑ 週に2〜3回以上胸やけが起きる
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☑ 数週間〜数ヶ月にわたり症状が続く
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☑ 市販の胃薬を飲んでも改善しない
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☑ 食後や横になった時に特に起こりやすい
原因としては、
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・ 脂っこいもの
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・ 遅い時間の食事
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・ アルコール・喫煙
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・ 肥満や加齢
などが逆流を起こしやすくします。
40代以降や生活習慣に心当たりがある方は、より注意が必要です。
2. 胸やけが長引くとどうなる?胃・食道への影響
胸やけが慢性化すると、胃や食道の粘膜に以下のような変化が起こり得ます。
食道への影響
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・ 慢性の炎症
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・ びらんや潰瘍
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・ バレット食道(食道が胃のような粘膜に変化)
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これは 食道がんリスクの上昇 と関連があります。
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胃への影響
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・ 慢性胃炎の悪化
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・ 胃の粘膜が萎縮しやすい
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・ ピロリ菌陽性だと胃がんリスクがさらに上昇
胸やけが続くということは、粘膜が長期間ダメージを受けているサイン。
「たいしたことない」と考えがちですが、身体にとっては確実に負担が蓄積しています。
3. 胃がんとの関係—続く胸やけはリスク要因?
胸やけそのものが胃がんを直接引き起こすわけではありません。しかし、胸やけを起こす背景には胃がんと関連しやすい状態が潜んでいることがあります。
▶ 特に注意すべき背景
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「ピロリ菌感染+胃粘膜の萎縮 → 胃がんリスクが約9倍と言われるデータも」
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⚠ 長年続く慢性胃炎
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⚠ 胃酸の逆流を繰り返す生活習慣
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⚠ 家族に胃がんの既往がある
「胸やけが続く=胃や食道の粘膜が傷んでいる状態」
これは胃がんのリスク評価が必要な場合がある、という意味です。
▶ 次のような症状を伴う場合は要注意
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・ 胸やけに加え 体重減少
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・ 胃もたれ・食欲低下
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・ 上腹部の痛み
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・ 黒い便・血の混じった嘔吐
このような症状があれば、早めの胃カメラ検査が勧められます。
4. 胸やけを放置しないためのケア・受診のタイミング
🏠 家でできる日常ケア
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・ 食後2〜3時間は横にならない -
・ 脂っこい食事・刺激物・アルコールを控える
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・ 枕を高くして寝る(逆流防止)
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・ 適正体重をキープ
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・ 禁煙
これらは逆流を防ぎ、胸やけを軽減する効果があります。
🏥 受診すべきタイミング
以下のいずれかが当てはまれば、専門的な検査を検討しましょう:
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・ 胸やけが 週2〜3回以上、数週間〜数ヶ月続く
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・ 市販薬で治らない
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・ 胃もたれ・食欲低下・上腹部痛を伴う
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・ 体重減少がある
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・ 吐血・黒い便など重い症状
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・ ピロリ菌陽性または家族歴がある
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、
胸やけの原因精査・ピロリ菌検査・胃カメラによる早期がん発見に対応しております。
5. まとめ
胸やけが続くということは、胃酸の逆流によって胃や食道の粘膜にダメージが蓄積しているサインです。
背景には、胃炎・萎縮・ピロリ菌感染など胃がんリスクに関わる状態が隠れている場合もあります。
「胸やけが長く続く」「最近頻度が増えてきた」
そんなときは、一度専門医に相談することが大切です。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、胸やけから胃がんリスクまで総合的に診察し、早期発見・予防に努めています。お気軽にご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。
【参考文献】
- 1.Helicobacter pylori Treatment and Gastric Cancer Risk Among Individuals With High Genetic Risk for Gastric Cancer – Zheng et al., JAMA Network Open.
- 2.Risk of gastric cancer in Helicobacter pylori infection in a 15-year follow-up – Kamangar et al., Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention.
- 3.The Risk Factors of Gastric Cancer – Park et al., Journal of Gastric Cancer 24



















