
「大腸内視鏡検査だけはどうしても怖い…」「痛そうだし、恥ずかしい」「できれば一生受けたくない」
このような声は、外来診療の現場でも非常によく聞かれます。
人間ドックや健康診断で便潜血が陽性になっても、「再検査は後回し」「様子を見よう」と検査を避けてしまう方は少なくありません。
しかし、大腸がんは日本人に非常に多いがんのひとつであり、早期に見つかれば内視鏡治療だけで完結するケースも多く、生活への影響も最小限で済みます。一方、検査を先延ばしにすることで、発見時には進行してしまうケースも現実として存在します。
だからこそ大切なのは、「怖いから受けない」ではなく、なぜ怖いのかを整理し、その不安を減らす方法を知ることです。
この記事では、大腸内視鏡が怖いと感じる理由の正体、実際の検査のリアル、そして恐怖心を軽減する具体的な対策までを、消化器専門医の視点でわかりやすく解説します。
1. 大腸内視鏡が「怖い」と感じられる本当の理由
多くの方が抱く恐怖には、いくつか共通した背景があります。
①「強い痛みがあるのでは?」という不安
過去には、スコープの硬さや空気送気によって痛みを感じるケースもありました。その記憶や噂が今も残り、「内視鏡=激痛」というイメージだけが独り歩きしていることが多いのです。
② 検査前の下剤がつらそう
「大量の下剤を飲まなければならない」「気分が悪くなりそう」という印象から、検査前段階で抵抗を感じる方も多くいます。
③ 恥ずかしさ・プライバシーへの抵抗
肛門からカメラを入れる検査である以上、心理的なハードルを感じるのは自然なことです。
④ 安全性への誤解
「腸に穴があくのでは」「危険な検査では?」といった漠然とした不安も、恐怖心を増幅させます。
このように、大腸内視鏡が怖い理由の多くは、実際のリスクよりも“イメージ”によるものであることが少なくありません。
2. 実際の大腸内視鏡検査はどうなのか?― 痛み・恥ずかしさ・安全性の現実
現在の大腸内視鏡検査は、技術の進歩により患者さんの負担が大きく軽減されています。
[ 痛みへの対策 ]
細く柔らかいスコープ、腸への負担が少ない炭酸ガス送気、さらに鎮静剤を併用することで、**「ほとんど記憶がない」「気づいたら終わっていた」**という方も珍しくありません。
[ 恥ずかしさへの配慮 ]
検査用パンツの着用、露出を最小限にする体位、プライバシーへの徹底配慮など、精神的負担を減らす工夫は標準的に行われています。
[ 安全性について ]
熟練した医師が行う大腸内視鏡検査の合併症率は非常に低く、医学的にも安全性の高い検査として確立されています。
つまり、「痛い・怖い・恥ずかしい」という印象は、現在の医療現場の実情とは大きく異なる場合が多いのです。
3. 怖い気持ちを減らすためにできること
恐怖心を軽くするためには、以下のポイントが重要です。
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☑ 検査内容や流れを事前にしっかり説明してもらう
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☑ 鎮静剤の使用について相談する
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☑ 不安や過去のつらい経験を正直に伝える
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☑ 「検査後の安心感」を知っておく
大腸内視鏡検査は、その場でポリープを切除し、大腸がんを予防できる唯一の検査です。
実際、「もっと早く受ければよかった」と感じる方は非常に多くいます。
4. 検査を避けることで生じるリスク
大腸がんは初期にはほとんど症状がありません。
腹痛や血便が出てからでは、すでに進行していることもあります。
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⚠ ポリープの段階なら簡単な内視鏡治療で済む
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⚠ 進行すれば手術や抗がん剤治療が必要になる
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⚠ 便潜血検査だけでは見逃されるケースもある
「怖いから受けない」という選択が、結果的に将来の負担を大きくしてしまうこともあるのです。
5. まとめ
「怖さは自然。でも一歩踏み出す価値がある」
大腸内視鏡が怖いと感じるのは当然のことです。しかし現在の検査は、安全性・快適性ともに大きく進化しています。
早期発見・予防につながる検査だからこそ、不安を減らしながら受けることが大切です。
大田大森胃腸肛門内視鏡クリニックでは、丁寧な説明、鎮静の活用、プライバシーへの配慮を重視し、安心して検査を受けていただける環境を整えています。
不安がある方こそ、ぜひ一度ご相談ください。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。
【参考文献】
※本ブログは一般的な臨床エビデンスに基づく参考文献を採用しています。
1.Rex DK, et al. Quality indicators for colonoscopy. Gastrointestinal Endoscopy
2.Lieberman D, et al. Colonoscopy outcomes in average-risk screening: results from multiple centers. New England Journal of Medicine.
3.Barclay RL, et al. Colonoscopic withdrawal times and adenoma detection rates. New England Journal of Medicine.
4.Kaminski MF, et al. Quality indicators and risk of interval cancers. Gut.
5.Menees SB, et al. The impact of sedation on colonoscopy outcomes. Gastroenterology.



















