
痔の症状に悩んでいる方の中には、「食事内容を見直したら症状が軽くなった」「便通が良くなって痛みが減った」と感じる方が少なくありません。
実は、日々の食生活や栄養バランスは、腸の働きや便の状態に大きく影響し、痔の改善や予防に深く関わっています。
痔は、便秘や下痢、排便時の強いいきみなどによって肛門周囲に負担がかかることで悪化しやすい疾患です。
特に便が硬い状態が続くと、排便時に肛門を傷つけやすくなり、痛みや出血の原因となります。そのため、便をやわらかく保ち、スムーズに排便できる腸内環境を整えることが非常に重要です。
食物繊維や水分、腸内環境を整える栄養素を意識して摂取することで、便通が改善し、肛門への負担を減らすことが期待できます。
本記事では、痔と食事・栄養の関係、積極的に取り入れたい食材、控えたい食品、さらに生活習慣のポイントまで、わかりやすく解説します。
毎日の食事改善にぜひお役立てください🍽
1. 痔改善に大切な栄養とは?🍴
痔の症状改善や予防において重要なのは、腸の動きをスムーズに保つための栄養素です。中でも特に重要なのが食物繊維です。食物繊維は便の量を増やし、水分を保持することで便をやわらかくし、排便時のいきみを軽減します。
一般的に、1日に25〜30g程度の食物繊維を摂取することが目安とされています。食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、水溶性食物繊維は便をやわらかくし、不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸の動きを促します。どちらかに偏らず、バランスよく摂ることが便通改善のポイントです。
また、水分補給も欠かせません。食物繊維は十分な水分と一緒に摂ることで効果を発揮します。水分が不足すると便が硬くなり、結果的に痔の悪化につながることがあります。常温の水やスープ、果物・野菜などを活用し、こまめな水分補給を心がけましょう。
さらに、発酵食品などに含まれる腸内環境を整える栄養素も重要です。腸内環境が整うことで便秘や下痢を防ぎ、痔が悪化しにくい体内環境を作ることができます。
2. 食事で取り入れたい「良い食材」🥬
痔の改善を目指す食事では、食物繊維を多く含む食材を積極的に取り入れましょう。
具体的には、玄米やオートミールなどの全粒穀物、豆類、野菜、果物が代表的です。
果物では、りんご・梨・ベリー類などがおすすめで、皮ごと食べることで効率よく食物繊維を摂取できます。さつまいもやにんじんなどの根菜類、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜も、腸の動きを助ける食材です。
また、納豆や豆腐などの大豆製品は、日本の食生活に取り入れやすく、食物繊維に加えて腸内環境を整える効果も期待できます。
水分を多く含むきゅうりやスイカなども、便をやわらかく保つうえで役立ちます。
ナッツ類やチアシード、亜麻仁などは食物繊維と良質な脂質を補える食品ですが、摂りすぎには注意し、少量をヨーグルトやサラダに加える形がおすすめです。
3. 避けたい食品・飲み物⚠
痔の改善を目指す場合、便を硬くしやすい食品や腸の働きを妨げる食品は控えめにしましょう。白米や白パンなどの精製された炭水化物は食物繊維が少なく、便秘の原因になることがあります。
また、揚げ物や加工食品、高脂肪食は消化に時間がかかり、腸内環境を乱しやすいため注意が必要です。
アルコールやカフェインは利尿作用によって体内の水分を奪いやすく、便が硬くなる原因にもなります。摂取する場合は水分補給を意識しましょう。
辛いものや塩分の多い食事も、消化管への刺激となり、便通を乱す可能性があります。痔の症状があるときは、腸にやさしい食事を心がけることが大切です。
4. 食事以外の生活習慣と栄養のポイント
痔の改善には、食事だけでなく生活習慣全体の見直しも重要です。
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は腸の動きを活発にし、便秘予防につながります。
規則正しい生活リズムや、決まった時間に食事をとる習慣も腸内環境を整えるポイントです。
よく噛んでゆっくり食べることで、消化吸収がスムーズになり、腸への負担も軽減されます。
5. 食事で改善を期待する際の注意点
食事改善を行う際は、急激に食物繊維を増やさないことが大切です。
急に増やすとお腹の張りや不快感が出ることがあるため、少しずつ取り入れましょう。
また、出血や強い痛みが続く場合は、自己判断せず医療機関を受診することが重要です。
痔の症状の裏に別の疾患が隠れている場合もあります。
まとめ
痔は食事や栄養を工夫することで、便通を整え、肛門への負担を減らすことが期待できます。
食物繊維・水分・発酵食品を意識した食生活と、生活習慣の改善を組み合わせることが大切です。
症状が強い場合は、早めに専門医へ相談しましょう。
監修医師 大柄 貴寛
国立弘前大学医学部 卒業。青森県立中央病院がん診療センター、国立がん研究センター東病院大腸骨盤外科など、日本屈指の高度な専門施設、クリニックで消化器内視鏡・外科手術治療を習得後、2020年10月大田大森胃腸肛門内視鏡クリニック開院、2024年12月東京新宿胃腸肛門内視鏡・鼠径ヘルニア日帰り手術RENA CLINIC開院。
【参考文献】
1.Dietary fiber’s role in preventing and treating hemorrhoids and other common gastrointestinal disorders — Slavin JL, その他, Journal of Nutrition
2.Effects of dietary patterns on gastrointestinal health and disease — O’Keefe SJ, その他, Gastroenterology
3.Role of hydration and diet in bowel function — Wald A, その他, American Journal of Gastroenterology


















